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ミステリの祭典

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蜜柑花子の栄光
名探偵の証明

作家 市川哲也
出版日2016年08月
平均点4.67点
書評数3人

No.3 5点 虫暮部
(2022/09/21 12:29登録)
 「教祖と人体消失」はおかしい。言葉を使ったあのトリックは、吉尾一人だけを狙って仕掛けられているじゃないか。
 消失に表裏両側から接する彼(と恋)の立場じゃないと、あの不可解さは感じられない。教祖はそれが “逆転の一手” だと発言しているが、影響力のある著名人ならともかく、彼に対してそんなことをしても効果は無いだろう。

 「姉弟とアリバイ」はいいね。これも恋の視点だからこそ成立する謎。麻耶雄嵩あたりが書きそう。

No.2 4点 ボナンザ
(2022/04/09 22:39登録)
残念ながら扱っている四つの事件はどれも今一つで、最後の展開も大体予想がつく。

No.1 5点 名探偵ジャパン
(2017/03/20 19:41登録)
「名探偵の証明」シリーズ完結編。
限られた時間内に四つの事件を解決しなければ人質が殺される。というタイムサスペンス要素を盛り込んでいます。
「えっ? この分量(ハードカバーで約300ページ)で事件を四つ?」
の不安通り、各事件はどれもかなりの小振りさ。解決に至る道筋も何だか掛け足で、全体的に「4クールの予定が視聴率不振で3クールに短縮されたアニメ」みたいな忙しなさを感じました。
事件ひとつひとつを取ってみても、犯行もバクチなら、それを暴くほうの手段もバクチと、犯罪者側も探偵側もかなり荒っぽい力業が目立ちます。
本シリーズのテーマはそこ(ミステリ部分の本格さ)じゃない。とわかってはいるものの、「本格」(しかも、堂々の鮎川哲也賞受賞シリーズだ)を謳うのであれば、そこは力を入れてほしかったです。

このシリーズを読んできて思うのは、この作者、本格ミステリには向いてないんじゃないかな? ということです。一人称の軽快な語り口や、今風なキャラクターには引かれるものがあるので、ライトノベルに転向したらいいものが書けるのではないでしょうか。

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