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ミステリの祭典

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先生、大事なものが盗まれました
怪盗・フェレス

作家 北山猛邦
出版日2016年04月
平均点4.67点
書評数3人

No.3 4点 測量ボ-イ
(2021/03/07 12:13登録)
アイデアは買いますが、内容はやや退屈。

No.2 5点 まさむね
(2016/07/18 22:29登録)
 いやぁ、何の事前情報もなく読み進めた者としては、1作目の「盗まれたモノ」の真相には、驚愕というか、脱力というか…。設定としては、本当に何でもアリ、やりたい放題なのだなぁ、大丈夫なのかなぁ…と様々な想いが錯綜した次第です。何といっても、精神的なモノも含めて何でも盗める可能性がある訳ですからねぇ。
 しかし、読み進めていきますと、不思議な読感ながら、軽妙な語り口もあって、面白味がじわじわと浮き出てきました。このシリーズ、何気にイケそうな気もします。次作も手に取ることになりそうです。

No.1 5点 人並由真
(2016/07/01 15:23登録)
(ネタバレなし)
 島民が約4万人の島・凪島。そこに三つある高校の一つ・灯台守高校の新入生「わたし」こと神灯雪子は入学式の朝、遅刻しかけたところをひとりの青年に救われる。彼の名はヨサリメグル。雪子とヨサリが運命的な出会いをするのと前後して、彼女は島で20年前から伝説となっていた謎の怪盗・フェレスの情報に触れた。超常的な盗みの能力を持ち、何かを盗んだのは確かだが、その盗んだ標的の正体を気づかせない盗賊の出現に際し、雪子は幼馴染みである2人の男子、「探偵高校」こと美盾高校の学生・千歳圭、「怪盗高校」こと黒印高校の在校生・小舟獅子丸と連携を取るが。

 若者向けキャラクターもの新作書下ろしミステリの叢書「タイガ文庫」の一冊で、おなじみ北山先生の新シリーズ。ラノベ風のケレン味豊かな設定の中に非日常的な物語要素を導入したやや変化球の謎解き青春ミステリ連作で、今回は全3本の中編を収録。

「何を盗んだかわからない怪盗」という謳い文句から事前には、アシモフのブラックウィドワーズクラブかホックの怪盗ニック、それぞれのシリーズでの某初期編みたいな内容を想起したが、実際の本作はもっとぶっとんだ、良く言えば自在な、悪く言えば「なんでもありすぎる」中身のものだった。
 その設定にとりあえず付き合うなら、それぞれの3編、それなりにバラエティ感があってまぁまぁ面白く、特に2話の作中人物と読者が「何を盗まれたか」を探り合う内容は今後のこのシリーズのスタンダードっぽい感じだ(ちょっとフレドリック・ブラウンの某作品を思わせる部分もある~こういっても絶対にネタバレにならないだろうし、双方読んでる人には筆者の言いたいことが何となく通じてもらえると思うけれど)。

 ちなみにまだまだ今回の一冊のみでは特殊な物語の場の舞台設定も多彩な文芸の登場人物たちも使い切っていない感は強いので、今後に期待。本数が増えていけば秀作が飛び出してくる可能性はあるシリーズかとも思える。 

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