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ミステリの祭典

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家庭用事件
市立高校シリーズ

作家 似鳥鶏
出版日2016年04月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 4点 ボナンザ
(2020/06/02 20:40登録)
相変わらずの学園で逆に安心。表題作について、子供二人なのに鍵かけてないわけないだろと思いましたが、伊神が入ったシーンが伏線なんですね。

No.2 6点 まさむね
(2017/05/28 23:34登録)
 市立高校シリーズ第6弾(だと思う)の短編集です。
 第1話「不正指令電磁的なんとか」から第4話「お届け先には不思議を添えて」まで、いずれも提示される謎が不可解で魅力的。個人的には、一発勝負の感はあるけれども、第1話のトリックが印象に残りそうかな。
 ちなみに、第4話「お届け先には不思議を添えて」ってどこかで読んだような…と思っていたら、学園ミステリ・アンソロジー「放課後探偵団」に収録されていたのですね。本格度と言う観点では本作中のベストでしょうか。
 最終話の「優しくないし健気でもない」は、雰囲気も内容も一変。ネタバレを避けるために多くは書きませんが、フェア、アンフェアを含めて様々な捉え方があり得そう。驚かされ、また、考えさせられたことは間違いないのですが。

No.1 6点 kanamori
(2016/06/20 23:29登録)
市立高校に通う”僕”こと葉山君が関わった”日常の謎”を、伊神先輩が快刀乱麻を断つ推理で謎解いていく〈市立高校シリーズ〉(と、称するらしい)の連作短編集。

1話目の「不正指令電磁的なんとか」では、パソコン内のワープロ文書が、プリントアウトされたとたん内容文言が入れ替わる、という摩訶不思議な謎が提示されるが、真相が明かさせると特殊知識に依存しただけのトリックという感もあります。次の「的を外れる矢のごとく」は、学校内の弓道場から的枠が盗まれた事件の犯人探し。動機の隠蔽とさりげない伏線が巧いと思うものの、編中ではあまり印象に残らない。
「家庭用事件」では、葉山君と妹の亜理紗が暮らすマンションの部屋が原因不明の停電に見舞われる。これは小品ながら、意外な真相を導き出す伊神先輩のロジック展開にキレがある。
「お届け先には不思議を添えて」は、宅配便で出したダンボールの中身が入れ替わるという不可能興味が強烈で、複数の仮説とロジックが展開される編中で最もパズラー志向が強い作品。ただ、アンソロジー『放課後探偵団』で読んだときには犯人の意外性もありましたが、この連作の中に入ると「またか!」となってしまいますねw

で、最終話「優しくないし健気でもない」が、他の作品とまったく手触りの異なる問題作。これは先入感なしに読むのがベターだと思いますが、熱烈なシリーズ愛好者ほど受ける衝撃が大きい、とだけ書いておきます。

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