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ミステリの祭典

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リターン
リカ

作家 五十嵐貴久
出版日2013年06月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 6点 猫サーカス
(2017/11/03 18:23登録)
ホラーサスペンス大賞受賞作「リカ」の続編。前作は怪物と化したストーカー、リカを描いたホラーだったが、この作品は本格的な警察捜査ものとして展開していく。もっともリカの偏執ぶりと底なしの狂気と不死身な存在感は、本作でも存分に発揮されており、クライマックスにかけての迫力は鬼気迫るものがある。しかし、なにより怖いのは、事件が解決した後のエピローグで描かれる、第二の”リカ”の誕生。身体の自由をすべて奪ったうえで、惚れた男を自分だけのものにしたいと願う女。その激しくゆがんだ愛は、心底怖いもの、これぞホラーである。

No.2 5点 パンやん
(2016/05/10 06:22登録)
「リカ」同様、グイグイ力強く読ませる面白さはあるので、サクッと読めるがパワーダウンは否めない。メールでの駆け引きの綾は楽しめるものの、リカの謎が未消化のままはどうなのか、女対決もちょいと肩透かし。とはいえ、後引くエピローグの怖さは好み。

No.1 6点
(2016/02/05 10:27登録)
今回の続編は、女刑事、尚美と、その同僚の孝子が登場する、警察サイコサスペンス。
彼女らは二人でリカと対決する。
あいかわらずリカの登場は後半までない。リカの行動による痕跡と彼女からのメール文により人物像を想像するしかない。それはそれで怖い。

でももっとも恐ろしいのはリカの登場からだろう。
そして、いよいよ対決へ。

二人の女刑事は考えが浅い。こんな手がうまくいくはずがない。相手は異常者であっても馬鹿ではないから、こんなのは通じないだろう。
とにかくさんざんな目にあう。著者からすれば、ホラーなのだから、主人公でも女性でも容赦なく痛めつけてやれ、ということなのか。

後半はページを繰る手が止まらなかった。ラストはなんとなく見えてくるが、もしや続々編もあるのでは、という思いもあった。
でもやはり完結編なら、このように解決するしかないのだろうなぁ。
それよりもオチがじつは凄い、上手い。
感動の結末に見せかけて、結局リカと変わらなかったりして??

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