皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
ギザじゅうさん |
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平均点: 6.99点 | 書評数: 238件 |
No.8 | 7点 | 名探偵 木更津悠也- 麻耶雄嵩 | 2005/02/26 13:30 |
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麻耶らしいひねったパズラー。 幽霊を平気で出したり、ホームズとワトソンの関係に独特の揺らぎを与えつつも、正統派パズラーとしての抑えるべきポイントは、しっかり抑えているのが素晴らしい。 とりわけ「交換殺人」は出色の出来。 |
No.7 | 8点 | 木製の王子- 麻耶雄嵩 | 2004/12/23 22:15 |
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単なる人工美という奇をてらっただけの作品化と思いきや、その過剰なまでの人工が最後のトリックの伏線になっていたのには参った。時刻表(時刻表トリックじゃなくて時刻表ね)のようなアリバイ、家系図、家族の名前、それらがラストのトリックになっているのだ。このような真相が説得力をもちうるのも不思議だが、まさにアートとカルトの密接な結びつきが抜群に上手かった。 ただし、あのアリバイトリックはやっかいだし(たとえそれが重要だったとはいえ)、そのトリックもミステリを読みなれた読者なら容易に気づくもの。そういった途中の退屈さは困り物。 ただし、それのラストへのつながりをプラスと見るか、その退屈さをマイナスと見るかは人それぞれだろう。が、ある意味では麻耶の最高傑作ではないだろうか。 |
No.6 | 8点 | 鴉- 麻耶雄嵩 | 2004/09/19 22:21 |
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やってくれた!まさに奇想! ミステリ的な仕掛け(第一の解決ね)としては、アイデア自体は前例がありすぎて困るくらいだが、それをこの様に使用したという時点で、まさにアイデア勝ち。麻耶の奇想がさえる。 そして、ラストの大どんでん返し!叙述が仕掛けられてるなぁ、というのはわかりやすいが、それをあのようにひっくり返してしまうのも凄い!ただ説明不足なのか、納得しづらいのが玉に瑕。 今までの作品にくらべると、ミステリ的雰囲気は多少薄く、トリック自体も目新しい物ではないが、こういった使い方もあるという、奇想の模範的作品! ただし、同じ年に出版された『メルカトルと美袋のための殺人』の方が楽しめた。 |
No.5 | 5点 | あいにくの雨で- 麻耶雄嵩 | 2004/07/11 21:09 |
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麻耶の試行錯誤の中から生まれた作品だろうか?多少物足りない気もするし、何故この作品を書いたのかもよくわからない。 麻耶らしい大伽藍のような点もなく、それを支える堅実なロジックも弱い。プロットに関しても殺人件と生徒会の事件に、もっと密接な関係があれば良かったのだが・・・。 普通に楽しめるといえば楽しめるが・・・。 |
No.4 | 6点 | 痾- 麻耶雄嵩 | 2004/05/30 11:55 |
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麻耶にしては、かなりシンプルな展開に驚き。 ただし『夏と冬の奏鳴曲』の後日談として(『翼ある闇』の前日談?)、先行作を一種のミスディレクションとしているので、本作だけではあまり楽しめないだろう。 本作もそれなりに楽しめたが、今後このシリーズがどう発展していくかが非常に楽しみである。 |
No.3 | 9点 | メルカトルと美袋のための殺人- 麻耶雄嵩 | 2003/01/30 22:58 |
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『遠くで瑠璃鳥の啼く声が聞こえる』が群を抜いてよい! 突然の恋とワトソン役の視点を巧みにつかった傑作! 他の作品も一風変わったのが多く面白い。 |
No.2 | 3点 | 夏と冬の奏鳴曲- 麻耶雄嵩 | 2002/09/10 02:46 |
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『翼ある闇』以上の問題作。 最後のほうでまた評価がガラリと変わってしまった。 推理小説というよりはサイコホラーに近い気がする。 どうもこの手の作品は受け付けないようで・・・。 |
No.1 | 3点 | 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件- 麻耶雄嵩 | 2002/08/28 08:41 |
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首なし死体、密室、蘇える死者などと謎が盛りだくさんで非常におもしろい。 しかし、最後の『第十章 エピローグ』でがっくりきた。 最後の最後にドンデン返しを用意しておくのはいいんだけど、持っていき方がかなり強引だったような気がする。 そもそも90歳を超える老人に、あの犯行は出来る筈がない。 |