皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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テツローさん |
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平均点: 7.46点 | 書評数: 108件 |
No.6 | 6点 | 超・殺人事件―推理作家の苦悩- 東野圭吾 | 2005/08/19 00:12 |
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「超・殺人事件 ー推理作家の苦悩ー」
これは推理小説ではないんですね。ミステリ出版界隈を舞台にした、風刺小説かと。中の一遍「超犯人当て小説殺人事件」に本格っぽい仕掛けがあるけど。 割と笑えはしたのですが、ラストの落ちが読めるのが多いのが難点。風刺小説だから、落ちよりプロットを笑って読むのが、正解なのかもしれませんが、やはりもう少し捻りを効かせて欲しかった、というのが感想です。 |
No.5 | 9点 | 天使の耳- 東野圭吾 | 2002/05/07 23:19 |
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ミステリの面で言えば、ほとんどの話が、偽りの証拠品や証言がまかり通ってしまう展開になっている。全ての真実が白日の元に晒されるという話ではなかった。 こういう欺瞞を仕掛けた側が勝つスタイルのミステリは、そもそもは好みではないのですが、この短編集に限っては例外的に認められる。それは、偽証・欺瞞を仕掛けた側が、押し並べて交通被害者で、信号無視、路上駐車、ポイ捨て、車道横断等、確実に他人に迷惑をかけているのに罪に問われにくい側を罠にかけるという、ほとんどの話がこれで統一されているからである。(何か低次元で喜んでますが) しかし、「天使の耳」は、その欺瞞が非常に凝っていて良かったです。BGMが「リフレインが叫んでる」なところも良し。 |
No.4 | 7点 | 怪しい人びと- 東野圭吾 | 2002/05/07 00:16 |
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「灯台にて」何と経験談ですか。怖いですねえ(笑)どうりで、この短編集の中でも一番サスペンスフルだと思った。 「寝ていた女」のポイントは「俺はなぜか全身の毛が逆立つのを感じた」の所かな。駄目男がテーマだと、ここで堕ちてゆく展開になるはずだが、そうならなくて良かった。嫌悪感は残るが。 「結婚報告」主人公が自力で解決できなかったのが惜しい。 「コスタリカの雨は冷たい」スピーディで面白かった。ラストの意味がよく分からなかったが、ほのぼのしてるという感想でいいのかな? 「もう一度コールしてくれ」青春の影というものか。ただ少々単純な展開だった。思い切って犯罪を無くして、野球の話に絞った方が、まとまった話になったかも。 一日で読めてしまった、全体的に軽めの短編集で、評価は良い方である。 |
No.3 | 7点 | 犯人のいない殺人の夜- 東野圭吾 | 2002/05/06 23:21 |
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表題作、叙述トリックの良品。だが、偽名を使う必要はなかったんじゃないかな?ちょっとそこがひっかかった。 「小さな故意の物語」動機面で、西澤保彦氏の「死者は黄泉が得る」を連想した。でもこっちのは、まだ切ないと感じる方が勝っている。やるせないなと思う。 内容的には上記2作が良かった。他、2,3挙げると、 「踊り子」男二人のやりとり、気持ちはわかるが、うざったいは、じれったいは… 「エンドレス・ナイト」商売人の意地というと、やはり関西人になるんですかね?まあ確かに「これで設けたる」というのは関西人のほうがしっくりくるかな… 「白い凶器」狂いの描写はパターンかな?動機もこれは分かり易かった。 |
No.2 | 8点 | 浪花少年探偵団2- 東野圭吾 | 2002/03/21 00:37 |
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ミステリ的な部分は「日常の謎ミステリ・浪花編」という感じかな? しのぶ先生と新藤刑事と本間義彦の三角関係の方は、漫画だけど、「めぞん一刻」を連想した。本間はマジで三鷹そっくり。「しのぶセンセの上京」で薔薇の花束を抱えて現れるところなぞ、しっかり笑わせてもらいました。 |
No.1 | 9点 | 名探偵の呪縛- 東野圭吾 | 2002/03/12 19:22 |
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天下一大五郎シリーズはこちらを先に読みました。(文庫でしか読まない人間なもので)最初はキャラクーについて、???な所がありましたが、これは雰囲気で読み進められます。殺人ドミノ倒し的展開になった時は、「これはもしかして夢落ちでは」とも疑ったのですが、そんなことはなく、きちんと本格ミステリとして解決がついた時は、「さすが」と思いました。 このシリーズ、続編(第3弾)が出るときいたのですが、デマかな? |