皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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たかだいさん |
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平均点: 5.10点 | 書評数: 168件 |
No.3 | 6点 | 行動審理捜査官・楯岡絵麻VSミステリー作家・佐藤青南- 佐藤青南 | 2025/03/01 21:12 |
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相手の微細な反応から嘘を見抜いて真実を暴き出す「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズの一つで、著者と同じ名前を与えられたミステリー作家「佐藤青南」との対決を描いた長編作品
天性の才能によって人身を掌握して一種のカルトを築き上げた一方、基本的に自身を認めさせる事以外には興味がなく、批判者や後輩には苛烈な攻撃を加えるサイコパスとしての「佐藤青南」は、ミステリーの悪役として結構好きでした 心理学を学び自身を取り繕う事も出来る佐藤と絵麻の(取り調べ室での)対決は特に熾烈で、佐藤が仕掛けた(というか実行した)非常に気の長い狂気染みた犯行に戦慄しつつ、普段はソリが合わない現場組との二人三脚で辛うじて絵麻が佐藤に対して突破口をこじ開ける様は読んでいてスカッとするものがあります あからさまに続きがあると匂わせる終わり方をしているので続きが気になりつつ、(「サイレント・ヴォイス」で感じた個人的な危惧はあるものの)シリーズの他作品も徐々に読み進めようと思います |
No.2 | 4点 | サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻- 佐藤青南 | 2025/02/27 20:58 |
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人が無意識のうちに出してしまう反射的な微細行動を見極めて相手の嘘を見抜く事が出来る刑事・楯岡絵麻が活躍するミステリーシリーズの(おそらく)1作目
短編形式となっており、取調室を舞台に、取り調べを受ける被疑者の嘘を見抜き、その先に隠された真実を暴き出すトリッキーな警察小説 相手の油断を誘う言動で侮らせ、不意を突いて嘘を一つ一つ潰しながら追い詰めるというのが大まかな流れとして確立している作品であり、一転して被疑者の嘘を封殺していく様は結構気持ちいいです フィクションとは言え、相手の反応だけで(被疑者自身は一切触れてないにも関わらず)秘密の場所の特定までしてのけるのは実際の所「どうなんだろ?」とか「やりすぎじゃない?」みたいに野暮な事を思ってしまったり、何より前述のように大体の流れが出来上がっているので若干飽きるというかワンパターン気味な印象を受けました |
No.1 | 6点 | 犬を盗む- 佐藤青南 | 2025/02/20 14:58 |
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犬の視点も挿入される、犬を巡る殺人事件を描いたミステリー作品
気難しい性格で知られる老婆が殺害され、一方で急にアパートで犬を飼い始める男が登場し、その男が連れた犬に見覚えのある女も現れる 関係が見え隠れする朧げな線が徐々に繋がると共に、それに伴う(犬に関する)人間のエゴも浮き彫りになる作品です 個人的に話の流れは割と好きで比較的ライトなミステリーとして楽しめたのと、とある女の末路には若干の同情とそれ以上に胸がスカッとしたというのが正直な感想です |