皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
たかだいさん |
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平均点: 5.19点 | 書評数: 81件 |
No.5 | 5点 | 吸血鬼の原罪 天久鷹央の事件カルテ- 知念実希人 | 2025/01/11 08:32 |
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アニメの放送も好調な知念実希人の「天久鷹央の推理カルテ」シリーズの一つで、今回は『吸血鬼』をテーマに挙げている作品
失血死した外国人が発見された事を機に傍若無人な鷹央先生が謎の解明に乗り出し、いつも通り、『吸血鬼』と病の関わりが暴かれていく流れは最早、安定感すらあって気軽に楽しめる 尤も、今回の話では海外実習生制度の闇や、それに伴う反社組織による組織犯罪にも焦点が当てられる都合上、若干の重さがあった気はします シリーズを通して突き抜けた魅力は弱い印象ながら、安心して楽しめるクオリティではあったかと思います |
No.4 | 5点 | 魔弾の射手 天久鷹央の事件カルテ- 知念実希人 | 2024/12/19 07:16 |
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廃病院を舞台に、そこで立て続けに起きた飛び降り事件の真相を追う「事件カルテ」シリーズの一つ
勿論、真相は自殺ーーという事はなく殺人なわけで、被害者を突き落とした「不可視の弾丸」が事件の肝となる 結果的に、指先一つで人間を突き落としてみせた今回の「病」はなかなか興味深かったです そんな病気があるんだ、と毎回知識欲というか好奇心がくすぐられる本シリーズですが、本書の病も人体の不思議という意味で非常に面白かった |
No.3 | 6点 | 天久鷹央の推理カルテⅡ ファントムの病棟- 知念実希人 | 2024/12/19 02:36 |
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以前のレビューで、殺人事件を扱った「事件カルテ」と比べてあまり好みではないと言った「推理カルテ」の2冊目にあたる本書
毒を盛られたと訴えるトラック運転手、病棟を徘徊する吸血鬼の謎、病室に降臨した天使といった不思議な現象に対して、本シリーズの探偵役「天久鷹央」がズバリと診断を下します 相変わらず、病気とは一見関係なさそうな謎から驚きの病巣が指摘される辺り、シリーズ独特の面白みが感じられる それに加えて本書の場合、性格というか人間性に難がある鷹央の意外な弱さ、人間臭さが描かれている点でもポイントが高いと思っています あまり好みではない「推理カルテ」の中では例外的に好印象な1冊です |
No.2 | 4点 | 天久鷹央の推理カルテ- 知念実希人 | 2024/12/07 05:03 |
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現役の医師でもある著者による人気シリーズの一つで、アニメ化も決定している作品の第一弾
お固そうな医療ミステリーでありながら、専門用語や聞き慣れない病名が絡みつつもライトな語り口で堅苦しくなく楽しめる、実績ありきのシリーズとなります 医療ミステリーなのに河童や人魂という一見噛み合わないテーマが基にある話であったり、少女による不可思議な妊娠という重い話もあり、医療ミステリー定番の派閥争いや医療ミスを巡るごたごたもありで、いい感じに話の振り幅があって飽きはこない ただ、個人的には同じ天久鷹央シリーズでも医療関連を主体とした「推理カルテ」より、殺人事件も絡んでくる「事件カルテ」の方が好みです 正直、このシリーズを最初に読んだのがこの「天久鷹央の推理カルテ」だったなら後の続編には手を出さなかったかも知れません 最初に「事件カルテ」の方を先に読む機会があり、その後に本書を手にした者が読んだ感想としてはそんな感じです |
No.1 | 9点 | 硝子の塔の殺人- 知念実希人 | 2024/11/21 06:35 |
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個人的に好きな作家の一人である知念実希人作品という事で、発売当初から期待しつつ最近(と言っても2〜3ヶ月前だが)ようやく読む機会が持てたので、早速、一気読みした
そんな者の感想としては、率直に言って今まで読んだ知念実希人の作品の中で一番好きかも知れない 元々殺人を企てた者が余計な罪まで着せられる事を恐れ、いわゆるワトソン役を自ら買って出て探偵に真相を推理させようとする この構図が結構珍しくて好きな一方、塔の性質を利用した大小様々な仕掛けが散りばめられていてトリックの観点からも不満は無かった 真の真相とでも言うべき最後のどんでん返しも鮮やかに決まっていたと思うし、やはり知念実希人の作品中、最も面白い(現時点での)最高傑作は本作だと個人的には思います 小ネタとして、著者の他シリーズの人物に軽く触れられている箇所があり、他にもネタを知っているとニヤニヤできるような遊び心があるのも魅力の一つかなと思いました |