皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
みりんさん |
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平均点: 6.67点 | 書評数: 415件 |
No.12 | 7点 | Another- 綾辻行人 | 2024/08/31 19:19 |
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夏の終わりにとっておきのホラー
【以下鋭い人にはネタバレになると思われる】 あの趣向は伏線の妙・衝撃度・納得感どれもが確実にレベルアップ。ただなあ… 島田荘司の某作を読んだ時と同じ感じの・・・そう、アレよ。呪いの設定は緻密に作り込まれており館シリーズよりも空間的な広がりがあって、 760ページあっても一切飽きさせない力作であることは確実です。一般人(というか私の友達)には「綾辻行人って『Another』の人?」と言われるほど、その後のメディア展開で出世した新たなる代表作。デビューから20年を経て再度脚光を浴びた人ってあまりいない気がする…いや、結構いるんか??もう37年経ったのでそろそろ円熟期、3度目のデビューを期待していますよ。 雰囲気は同じ学園ホラーの『緋色の囁き』の方が好きだったりする。 |
No.11 | 6点 | 殺人鬼- 綾辻行人 | 2023/08/07 23:59 |
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キツすぎ。
読んでるだけなのに共感性(?)からくる痛みを感じたのでスプラッタシーンは1部読み飛ばした。でも冒頭に気になる記述があったので最後まで耐えながら読んだらしっかり騙された。あとこれ囁きシリーズと世界繋がってるんですね。 でも2は読まなくて良さそうかな。怖いもの見たさもあって読むか迷う。 |
No.10 | 7点 | 黄昏の囁き- 綾辻行人 | 2023/08/06 23:07 |
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ヘボ探偵すぎてたぶんここ30作品くらい連続で犯人が当てられていません(笑)
シリーズ3作品を通して読みました。 語り手の幼少期の封印された記憶が"囁き"という形で徐々に蘇ってくるのが共通ですね。物語の終盤までその記憶は2重3重に包み隠され、多用される色彩表現が幻想的な雰囲気を作り、表現し難い気持ち悪さがずっと味わえます。ずっと不安定なんですよねこの世界。最後には記憶の全貌と意外な犯人が浮かび上がり、モヤモヤが溶けました。 トリックや衝撃度は館シリーズに劣るけど、文体や雰囲気や読後の気持ち悪さはこちらの方が好みです。続編ないのですか? シリーズの中で1番は僅差で『緋色の囁き』ですかねぇ… |
No.9 | 7点 | 暗闇の囁き- 綾辻行人 | 2023/08/06 13:18 |
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囁きシリーズ第二弾
人形館〜霧越邸を描いた頃の綾辻先生、抜群に雰囲気がイイ。人形館と霧越邸好きなんです。ミステリというよりもオカルトホラー・幻想小説って感じで。で、この人形館と霧越邸の中間みたいな感じの作品が『暗闇の囁き』ですかね。 ずっと足場が不安定で眩暈のするような別世界にいる少年達。主人公との邂逅で交錯した異世界が一つの真実に収束する。そんな幻想的で救いのないお話でした。 個人的には舞台設定も含めて『緋色の囁き』の方がやや上かな。 |
No.8 | 7点 | 緋色の囁き- 綾辻行人 | 2023/08/05 16:36 |
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綾辻先生が「今読み返すと赤面してしまう箇所がある」ってあとがきで言ってるけど、この文章が好きですよ。
【ネタバレがあります】 全寮制の厳格なお嬢様学校が舞台のキャッキャウフフな青春ミステリ…ではない!相当ホラー寄りです。 まあ十中八九二重人格オチだろうと半ば確信しながら読んでいくと、徐々に自信が揺らいでいく。いや…それでもさすがに…と思っていると反則スレスレの真相が待っています。 テーマはたぶん「血」ですよね。 ずっとこの作品に漂うカラーはタイトル通り緋色なわけですが、視覚的・物理的な血のみにとどまらず、DNAとしての血も内包しています。ラストの主人公の独白から、鮮やかな血に魅入られた母親と恐らく同じ末路を辿り、DNAには抗えないというメッセージでしょう。 |
No.7 | 7点 | 月館の殺人- 綾辻行人 | 2023/07/12 18:39 |
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絵が可愛いし終始コミカルな雰囲気なんだけど、6人も死ぬ連続殺人事件の舞台には合ってないと思う。
本格ミステリとしてはなかなか楽しめた 上巻の最後に明かされる1つ目の仕掛けは特に |
No.6 | 8点 | 霧越邸殺人事件- 綾辻行人 | 2023/05/18 00:04 |
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骨格は本格ミステリだが、水車館のラストで魅せられた幻想的な雰囲気が終始漂うので怪奇幻想小説の側面も強い。というか実は綾辻行人はこちらの方が得意なのかな… |
No.5 | 8点 | 人形館の殺人- 綾辻行人 | 2023/04/02 18:53 |
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人形館の書評100件目!嬉しい!(2回目)
ネタバレあります。 いや〜評判悪いですね「人形館」。「中盤で真犯人とオチが分かってしまい、そうでなければ良いと思いながら読んでいた」というレビュアーの方が非常に多いですね笑 館シリーズの中では異色作なので、評価に困りますが当時の感想を盲信して高評価を付けます。 |
No.4 | 8点 | 水車館の殺人- 綾辻行人 | 2023/04/02 02:12 |
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水車館の書評100件目!嬉しい!
そして綾辻行人作品の採点が激甘になるの自覚しております。 ネタバレあります。 読み返してみるとやっぱり大好きです水車館。 「水車館」は「十角館」や「時計館」に比べてメイントリックの衝撃度は劣るものの、作品全体の雰囲気や大小様々なプロットの緻密さで軍配が上がります。そうした理由から再読性がウリの作品と言えるのではないでしょうか。確かこの作品が人生で初めて読んだ「被害者加害者入れ替わりトリック」であることに加えて、自分が赤緑系の色弱(灰色に見えたりはしないが)であるため、どうしても贔屓してしまうが、時計館の殺人の次に面白いと胸を張って言えます。犯人が幻影群像の絵で全てを悟るラストは神秘的で好きです。 追記:さすがにこれに9点は作家贔屓しすぎと反省→8点に |
No.3 | 8点 | 迷路館の殺人- 綾辻行人 | 2022/12/18 16:39 |
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【ネタバレあり】
推理作家が集まる事件ということで作中で「優れたミステリ」の例として「①冒頭の不可解性 ②中盤のサスペンス ③結末の意外性」と語られていましたが,まさにこの迷路館の殺人がそれを満たしていて,綾辻先生のミステリ観が知れてよかったです。 |
No.2 | 8点 | 十角館の殺人- 綾辻行人 | 2022/12/17 14:30 |
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ネタが分かってからの再読性は低く、エラリイの「社会派リアリズムの痛烈批判」くらいしか目を引くものはありません。 |
No.1 | 10点 | 時計館の殺人- 綾辻行人 | 2022/12/17 02:00 |
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【ネタバレあります】
緊張感のあるクローズドサークル・中盤のサスペンスホラー・大胆で斬新なトリック・そのトリックの大掛かりさにも納得できる動機 何を取っても完成度が高くまさに新本格ミステリのお手本。わたしの1番好きな作品です。 親の歪んだ愛情は時空までも歪めてしまう。その時空の法則に気付いたものは殺されていく。ラストの館の崩壊シーンにはある種のカタルシスと美しさを感じます。勘の良い人はトリックに気づいてしまうそうなのでそこだけ玉に瑕ですね。時計の針をズラす程度しか思いつきませんでした。 何かしらの媒体で映像化されないかなと常々思ってます。 |