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ROM大臣さん
平均点: 6.07点 書評数: 135件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.2 5点 封印された悪夢- フィリップ・マーゴリン 2022/03/24 15:31
本書は六部に分かれており、現在と過去が錯綜して描かれる。現時点で過去の事件関係者が犯罪に巻き込まれ、再審が始まるのである。処女作らしく、様々な要素が詰め込まれすぎており、未整理の箇所も多い。この事件の経過だけで五百ページを超すのは、途中でいささか退屈になる。
しかし、後半の詰めの部分になってくると、力量が発揮され緊迫感が出てくる。人物描写は類型的で平凡だが、プロットの面白さがこの作者の特徴であり、それが処女作にも出ている。

No.1 5点 黒い薔薇- フィリップ・マーゴリン 2021/11/16 15:17
ポーランドの女性弁護士ベッツィ・タネンバウムイは虐げられた女性たちの味方だ。法廷で弱い立場の女性を弁護し、数多い勝訴で名声を得ていた。そんなある日、建設会社の社長マーティン・ダライアスが訪問してきた。彼女の年収に見合う額で彼女を法律顧問に迎えたいというのだ。その頃ポーランドでは三人の名士の妻が相次いで姿を消していた。その失踪現場には黒い薔薇と「去れど忘れず」という書き置きが残されていた。
惨殺死体の描写は巧みだが証拠湮滅の方法の記載はなく、重要人物の登場もいささか突飛だ。おとり捜査の手のうちも早すぎる時点で示してしまうので、犯人捜しの楽しみも半減。またフェミニストの女性弁護士ベッツィが自分の主義と依頼された仕事のギャップに悩むところも画一的だ。

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