皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
Kingscorssさん |
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平均点: 6.42点 | 書評数: 96件 |
No.9 | 5点 | シャーロック・ホームズの事件簿- アーサー・コナン・ドイル | 2020/10/10 18:03 |
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ついにホームズシリーズを完読(全てハヤカワ版)。楽しませてもらいました。
さて、今作ですが、『ソア橋』など有名な傑作もあるんですが、やはり全体的には質が落ちていて、ファン含めて不評なのも頷けます… 中にはおいおい、そんなオチでいいの?と心配してしまうぐらい内容的にダメダメなやつ(這う男)や、これ、どっかで見たなぁ…あ!『冒険』のあの話の二番煎じやん!と突っ込んでしまうやつまで… しかし、この短編集がホームズシリーズ最後なので、ファンなら関係なく必読です! |
No.8 | 6点 | シャーロック・ホームズ最後の挨拶- アーサー・コナン・ドイル | 2020/10/09 00:47 |
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過去三つの短編、『冒険』、『回想』、『帰還』に続く短編集。ハヤカワ版で読了。
『回想』で入るはずだった”ボール箱”のエピソードがここに入ってます。時代的に他のエピソードとちょっと毛色が違いますが、昔の英語版でもこの『最後の挨拶』に入ってるらしいです。ただ、最近の英語版だと『回想』に入ってるらしい… まぁ細かいところは気にせずに読みました。 内容に関しては、今までで一番ミステリー要素や面白さが薄い… 個人的にですが、兄のマイクロフト(本当このキャラいらない…)の後付設定とかちょっとドン引きしました。やりすぎ。あるエピソードでは”完全にノックスの十戒破ってるやん!”とつっこんでしまった… 絶対このエピソード(ネタバレなので度の話とか何条とかは書きません)のせいでノックスの第〇条出来たんだなぁと想像… ただ、最後のエピローグの話は叙述入っててびっくりしたのと、読後感的にちょっとしんみりしました。(*´∀`*) 完全にファン以外は面白味が薄くて、イマイチ感が半端ないですが、それでもホームズシリーズというだけで読む価値はありますので! |
No.7 | 7点 | 恐怖の谷- アーサー・コナン・ドイル | 2020/10/09 00:33 |
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コナン・ドイルのホームズシリーズの長編はなぜかいつも2部構成。今作も例に漏れず完全に二つの物語が別個で入ってます。内容は第一部がホームズの事件簿、第二部が犯人?の過去物語。あれ?これ『緋色の研究』や『四つの署名』でも見たような構成じゃあ…
(´ε`;)ウーン… コナン・ドイルはミステリーのネタ1本で純粋に長編を書ききるのが苦手なのだろうかと思ってしまう。それをおけば、ちょっと長めの短編が2つあると思えば気にならないです。内容の方も傑作とは言わないまでも高水準の出来。ミステリー的にみればトリックや展開がベタで確かに薄味ですが、話としてはどちらも面白いです。ただ、ファンサービスなのか、無理やり有名キャラクターのあの人を絡ませるのはどうかなぁと思いました。別にいらないのに… まぁファンじゃないとそこまで面白くないですが、佳作ぐらいの出来じゃないでしょうか… |
No.6 | 9点 | シャーロック・ホームズの帰還- アーサー・コナン・ドイル | 2020/10/06 09:25 |
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いうまでもなく、『冒険』は最高でした。で、その次の『回想(思い出)』は著者が嫌々書いてた&早くホームズシリーズを終わらせたかった事情からかファン以外にはかなりイマイチな出来になってました。そして、10年空いた後の短編の新作(一応長編のバスカヴィル家の犬が間にある)である今作はどうかというと…
『冒険』に負けないくらい十分に納得できる質&内容で面白かったです! マイナス点は仕方ないとはいえ、大人の事情で無理やりホームズを再登場させた手法がやはり残念な感じでした。『回想』で終わったはずの物語からできるだけ無理なく再登場させるにはあの方法しかなかったかもですが… 全てが傑作というわけではないのですが、全体的には面白い話が多く、『踊る人形』や『6つのナポレオン』等有名なエピソードも満載でファン以外でも必読です! |
No.5 | 8点 | バスカヴィル家の犬- アーサー・コナン・ドイル | 2020/10/04 14:11 |
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ホームズシリーズ最高傑作と名高い本作を読了。
ミステリー的には少し薄味でしたが、世評に違わず面白かったです。先に他のホームズ作品を読んでいたので今作で著者が読者をのびっくりさせたい所は割とバレバレで全然驚きませんでしたが… ホームズシリーズの短編はどれもテンポが良く、よみやすくて面白いのですが、長編はどれも180〜250ページぐらいで長編としてはかなり短いです。短編ベースの話を長くしているかのような作りなので、途中で中だるみする傾向があるように感じます。今作も途中に事件も謎も進行せずにテンポが悪いところがあったんですが、全体としてはとても面白く傑作だと思いました。 ただ、傑作と言ってもホームズ達のキャラクター性ありきで、ミステリーだけ見るとあまり点数的には高くないと思います。あくまでこのキャラクターありきの点数ということで。 個人的には長編の中では緋色の研究の方がホームズエピソードが満載な分好きなんですが、本作も負けず劣らず面白いのでホームズファンなら必読です! |
No.4 | 8点 | 四つの署名- アーサー・コナン・ドイル | 2020/10/01 22:28 |
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いや、コレも皆さんの評価低いですが、キャラクターものとしてよく出来ていて面白かったです。ハヤカワ版で読了。
ミステリー部分はそんなに濃くないので、その辺を重視する方には物足りないかもですが、ホームズ登場作品として安定して質の高い出来だと思います。有名なホームズのあのシーンや、ワトスンのあのシーンとか、ファンには必読エピソード満載です。 ただ、難癖つけるならやはり最終章。犯人の独白がちょっと長すぎな気がします。あんまり興味もない話を長々話されても…って感じであの部分を短くうまくまとめてたら、作品自体がもっと良くなったんじゃないかと感じました。 ホームズ第二段のこの作品も一連のホームズ作品の中で重要な立ち位置なので必読でしょう!200ページもないのでサクッと読めます。 |
No.3 | 9点 | 緋色の研究- アーサー・コナン・ドイル | 2020/10/01 02:57 |
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えっ?なんか皆さんの評価低いですが、コレめちゃくちゃ面白かったですよ。(ハヤカワ文庫1983年版で読了)特に悪いところもないですし。
シャーロック・ホームズの第一作目というだけでも必読ですが、ホームズとワトスンが初めて会う所から、一緒にルームシェアする過程、ワトスンがホームズの事件解決譚を記録し始める経緯も含めて丁寧に書いてあり、とても興味深く拝読しました。 唯一、気分を害したのが犬のシーンです。まぁ、日本とは文化が違うし西洋では割と当たり前のなのでアレですが、かなり不快でした。 ちなみにハヤカワ版は翻訳もうまく、かなり読みやすくてキャラクターの描写もバッチリでした。ただ、気づいただけでも二箇所ほど誤植が… P101(13列目) 一と月 → 一ヶ月 p166(5列目) 態 → 熊 いや、一ヶ月はともかく熊を間違えるのはちょっとドン引きでした。(どちらも念の為にちゃんと英語原文で確かめました。) 細かいところは置いといて、ミステリファンなら必読中の必読でしょう!長編といっても200ページぐらいで、どちらかといえば中編ですのでサクッと読めます! |
No.2 | 6点 | シャーロック・ホームズの回想- アーサー・コナン・ドイル | 2020/09/25 15:04 |
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前作の冒険同様に娯楽小説として質は高いのだが、ミステリーとしては少し凡庸化していると感じました。
(ネタバレあり) 個人的に、マイクロフトのキャラ付けがあんまりよくないと思いました。なぜならホームズの上位互換だからです… いくらホームズほど行動力がないとはいっても、クラブでの推理合戦で普通にホームズを破るぐらいの頭脳を見せられると、なんか今まで神格化してきたホームズが小物に見えてきてしまうのが何とも微妙な感じがしました。 せめて特定の分野だけはホームズを凌ぐとかにすればよかったのに… 全分野で上位互換(今までわからない事件は兄に相談してたとかドン引き)とか… しかも、その兄は全然捜査に関係してきませんし、わざわざ兄なんか出さなくても良かったんじゃないかとさえ思います。 また、最後の事件でのモリアーティーが伏線もなくいきなり出てきて、”組織が…”とか大きい事言われてもなにか陳腐に感じるだけでした。しかも最後の対決は頭脳での推理合戦と見せかけて滝でステゴロ対決かい!と突っ込んでしまいました… その上両者揉み合って滝に落ちて死ぬ(いや、大人の事情で復活して出てくるのは知ってますが…)とか、悪い意味で言葉もありませんでした。 その他の短編もコナン・ドイルがお金のために嫌々書いてただけあって、あんまり突出して面白いのはなかったです。 …が、相変わらず読みやすく(ハヤカワ版で読了)、ホームズファンとしては十分楽しめる必読書なのでおすすめです! |
No.1 | 10点 | シャーロック・ホームズの冒険- アーサー・コナン・ドイル | 2020/09/21 13:46 |
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いくつかの有名エピソードは既に映画とかドラマで見たことがあってネタを知ってましたが、今更ながらハヤカワ版でこの名作を読了。
いや、2020年の今でも全く色褪せない素晴らしい短編の数々。発表当時ならより刺激的だったに違いありません。内容については皆さんたくさん書かれてますので割愛ですが、とにかく読みやすい。ここかなり大事なポイント(同じ古典短編集でもブラウン神父は読み辛いのがかなり残念)だと思うんですよ。そのためかどうかわかりませんが、よく原文が中学や高校英語の教科書に学習目的で載せられるのも納得です。 読みやすいだけでなく、内容もページをめくる手が止められないほどのめり込む内容の数々で、洞察力の披露、推理力、行動力、機転力など問題を解決するまでの過程や話の奇想天外な結末を十二分に堪能できました。 個人的に驚いたのは、安楽椅子探偵というイメージからあまり部屋から出ないと思ってただけに、思い立ったらすぐ調査や仕掛け、情報収集(乞食に変装までして)に出向く行動力にはびっくりでした!あと、連絡手段の一貫ですが、自らこまめに手紙を出しに行ってるのもちょっと受けました。 有名すぎて逆に手を出してなかった自分みたいなミステリーファンの皆さん、絶対の絶対に必読ですよ! |