皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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ぷちレコードさん |
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| 平均点: 6.25点 | 書評数: 309件 |
| No.4 | 10点 | 奇想、天を動かす- 島田荘司 | 2026/01/29 21:54 |
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| 浮浪者の老人がわずか十二円の消費税を請求された腹いせに、菓子屋の女性店主を殺害。吉敷刑事は、事件の背景を探り出すため、現場の浅草界隈に聞き込みに回る。
冒頭から怪奇趣味を漂わせた不可能犯罪が登場するが、本筋はオーソドックスな社会派推理的な展開を見せていく。次第に事件の背景が判明したところで、奇想に富んだ謎を仕掛けることで、昭和三十二年に北海道の国鉄札沼線で起きた事件が絡んでくるあたりからは、まさに作者の独壇場。本格ミステリと社会派ミステリが融合した傑作。 |
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| No.3 | 5点 | リベルタスの寓話- 島田荘司 | 2025/06/08 21:29 |
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| 本書は表題作を前編と後編に分け、間に中編を挟み込み、正義道徳による民族愛が卑しく転落する仕組みを浮き彫りにしていく。
周囲の民族紛争が主題となっているが、物語の根底を支えているのは、オンラインゲームで使用される仮想通貨を取引するリアルマネートレードである。仮想世界でも欲と合理性によって他人を利用するケースが発生し、現実世界に跳ね返っていく。人間を動物以下に扱う残虐性は、サイバー世界の進化とともに強まっていくのではないかという懸念を抱かざるを得ない。 |
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| No.2 | 6点 | 火刑都市- 島田荘司 | 2024/07/07 22:36 |
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| 社会派推理の要素が強い重厚な捜査小説だが、社会派にありがちな生硬さがないのは、ヒロインをめぐる叙情的部分もさることながら、極めてトリッキーな奇想に裏打ちされていればこそだろう。
ヒロインの寒子が終章で「私は、東京が怖かったです。いえ、今でも怖いけど」と言うように、そういう哀しく弱い人間を異常な行為に駆り立てたという点で、巨大都市の魔性が炙りだされる仕組みになっている。本書は、一種の東京都市論でもある。 |
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| No.1 | 5点 | 新しい十五匹のネズミのフライ- 島田荘司 | 2020/05/28 19:56 |
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| 原典に対する言及が知識のひけらかしにとどまらず、プロットや趣向と密接な関係にある点はさすが。ワトソンの恋の行方も気になるところ。
ただ作者らしさが出ているかというと...うーん。 |
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