皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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zusoさん |
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平均点: 6.29点 | 書評数: 228件 |
No.5 | 9点 | 向日葵の咲かない夏- 道尾秀介 | 2024/06/18 22:16 |
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子供特有の残酷さ、悲しみを詩情性豊かに描き出し、結末では主人公の少年が背負う物語の重さに抑えがたい哀切の念を湧き起こさせる。
オカルティックな設定を本格ミステリの骨法と融合してみせた傑作。 |
No.4 | 7点 | 背の眼- 道尾秀介 | 2024/01/15 22:56 |
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猟奇殺人と心霊現象をを等価に置き、ふたつながらに論理で解き明かしていく。京極作品の影響も見られるが、主人公が心霊現象を探求する動機の切実さ、その心霊現象や陰惨な心象風景の描写などには、ホラーとしても読みどころがある。 |
No.3 | 6点 | 風神の手- 道尾秀介 | 2022/10/17 23:09 |
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三つの中編とエピローグ的な短編一つという作品集。
第一話では夜の鮎漁をモチーフに、二十七年前の恋心と殺意、そしてその想定外の顛末が描かれる。続く第二章では小学生コンビの冒険が、さらに第三章ではある脅迫事件が語られる。そしてこの三つの物語を併せ読むことで、巧妙に散りばめられたエピソードの数々が結び付き、それぞれがまた別の意味を持つことを知り、そして一陣の風が多くの人生にどう影響を与えたかが見えてくる。最後の短編も含め、心に刺さる良い物語を読ませてもらった。 |
No.2 | 6点 | 月と蟹- 道尾秀介 | 2020/04/24 18:31 |
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主人公は父親の故郷である海辺の町で、祖父、母親と暮らしている小学五年生の慎一。
子どもが生きている世界はとても狭くて逃げ場がない。だから、いろんな逃げ道を有している大人から見れば、些細な葛藤や悩みだって、小さな世界に閉じ込められている子供たちにとっては一大事。この小説の行間からは、そんな子供の行き場のない思いや声にならない悲鳴が聞こえてくるのです。 的確かつ新鮮な比喩を巧みに織り込んだ繊細な文章と、人間心理に対する深い洞察力に驚いた。 |
No.1 | 6点 | ソロモンの犬- 道尾秀介 | 2020/02/14 20:23 |
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同じ大学に通う四人の男女を中心にしたある少年の死をめぐるミステリ。
秋内は、自転車便のアルバイトをしながら学校に通い、仲間と遊ぶ大学三年生だった。ある時偶然にも、知り合いの少年が犬の散歩中にトラックにはねられるという現場に居合わせた。だが、その事故は作為的なものではないか、という疑問が浮かび上がる。 舞台は夏の漁港町。同級生に片思いの若者が語り手をつとめている。そのため、随所に軽妙なユーモアが含まれていたり、主人公のほろ苦い想いが伝わってきたりする全体的に爽やかな雰囲気の物語。後半にはいると、人を食ったような仕掛けがあり、作者らしさを感じで満足した。 |