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八二一さん
平均点: 5.73点 書評数: 373件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.233 5点 The500- マシュー・クワーク 2022/04/18 20:10
犯罪社会アメリカの現在を、さもありなんと描出する。ミステリといえるかは疑問だが。

No.232 8点 俳優パズル- パトリック・クェンティン 2022/04/18 20:09
事件の解決、公演の成功、結婚が一つになっており、謎解きに必然性と緊迫感があった。

No.231 6点 依頼人- ジョン・グリシャム 2022/03/29 14:47
十一歳の少年と五十二歳の女性弁護士とのコンビが絶妙。女と子供とてFBIの追及をかわし、マフィアから逃れられるのか。
サスペンス・ドラマとしても良く出来た設定で、ストーリーテラー、作者の筆が冴え渡る。

No.230 6点 誕生日パーティー- ユーディト・W・タシュラー 2022/03/29 14:43
慟哭するしかない凄まじい戦禍の物語であり、同時に胸をえぐる罪の赦しの物語でもある。
カンボジアでの残虐極まりない二つの家族の崩壊と、オーストリアでの数十年におよぶ温かな家族と波乱に満ちた恋愛の歴史が烈しく胸を打つ。意外な事実を連打して衝撃を与える幕切れも忘れられない。

No.229 7点 クージョ- スティーヴン・キング 2022/03/29 14:40
珍しく現実の恐怖を描かれるが、登場人物の一人一人の心理と行動がじわじわと破局を招き寄せる怖さはやはり並ではない。
狂犬に閉じ込められるという状況だけで長編が書けてしまう筆力に敬服。

No.228 7点 高く危険な道- ジョン・クリアリー 2022/03/29 14:37
ヨーロッパ、中東、東南アジアと立ち寄る先々で天災、人災に遭う。実にさまざまな事件が待ち構えているのをオムニバス風に描いて飽きさせない。

No.227 5点 殺したくないのに- バリ・ウッド 2022/03/29 14:36
孤独な超能力者の女性と、その罪を立証しようとする敏腕刑事との息詰まる闘いをサスペンスたっぷりに描いている。
次第にモンスターとして生まれたヒロインの悲哀に心打たれるうちに衝撃のラストへ。

No.226 5点 珈琲相場師- デイヴィッド・リス 2022/03/10 20:13
近代ビジネスの発祥地ともいわれる当時のアムステルダム、その金融と相場の世界を舞台に騙し合いと情報戦の面白さが、縦横に駆け巡る。垣間見える「紙の迷宮」との繋がりが、壮大なサーガを予感させる。

No.225 5点 ダンテ・クラブ- マシュー・パール 2022/03/10 20:07
作者はダンテに関する研究者の第一人者として有名な人物で、本作にはダンテや「神曲」にまつわる知識やペダントリーがたっぷりと詰め込まれている。
粗削りな部分もあるが、謎解きの妙味に目を見張らせるものがあり、そういう意味でエーコの「薔薇の名前」を彷彿させたりもする。

No.224 6点 緋色の迷宮- トマス・H・クック 2022/03/10 20:04
ペシミスティックな関係でしかなかった親子の絆が、終盤反転する展開は見事。その後に待ち受ける暗転は、とてつもなく悲劇的。

No.223 6点 黒い睡蓮- ミシェル・ビュッシ 2022/02/04 20:29
ノルマンディーの小さな村を舞台に、モネの名画をめぐって起きる殺人を、警察署長とその部下が捜査にあたる。ツイストのきいた心理スリラー。

No.222 5点 殺人者の記憶法- キム・ヨンハ 2022/02/04 20:25
シリアルキラーが認知症の記憶障害に陥ったらというユニークな設定と、さまざまな解釈が可能な物語にユニークな文学性がある。

No.221 8点 元年春之祭- 陸秋槎 2022/02/04 20:22
長安の都を離れ渓谷で暮らす祭祀を司る一族をめぐって起きる殺人事件の顛末が、中国の古典を紐解くように語られていく。不可能犯罪を扱い、読者への挑戦状を二度も挟むなど、堂々たる歴史ミステリに仕上げている。

No.220 6点 六人の赤ずきんは今夜食べられる- 氷桃甘雪 2022/01/17 20:29
基本的にパニックホラーの構造ながらも、巧みな情報開示で読者の認識を欺く手さばきは本格ミステリ流。

No.219 5点 グラスバードは還らない- 市川憂人 2022/01/17 20:26
トリックが暴かれたその瞬間、鮮明に浮かび上がる人間の感情に胸を衝かれる。

No.218 5点 探偵AIのリアル・ディープラーニング- 早坂吝 2022/01/17 20:25
AIを推理小説の視点から縦横無尽に語り倒す意欲作。人間と機械という関係性の描き方もよい。

No.217 5点 パズラクション- 霞流一 2021/12/31 20:17
豪快に使い捨てられるロジックの勿体ない素晴らしさ。あまりにカオスな状況から、寸分の隙も無くはまっていくパズルのような展開には思わず笑えて来る。

No.216 5点 帝都探偵大戦- 芦辺拓 2021/12/31 20:15
捕物帳の岡っ引きから戦後の探偵まで、五十人もの名探偵を再登場させ、原著の文体も模写してみせた。凝り性の作者らしい仕上がり。

No.215 5点 ディレイ・エフェクト- 宮内悠介 2021/12/31 20:13
表題作は、モキュメンタリ―タッチの書きぶりがひとつの頂点を極めた感のある一編で、淡々と描かれる二重写しの東京の景色に、小説の力を改めて信じたくなる気持ちにさせられた。

No.214 7点 生き残り- 古処誠二 2021/12/18 20:55
生きている兵隊の過酷な運命を乾いた筆致で描いた戦争ミステリ。真相が明らかになった瞬間に突き放されるような、あの感覚は忘れがたい。

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