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八二一さん
平均点: 5.76点 書評数: 425件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.45 7点 古書の来歴- ジェラルディン・ブルックス 2019/11/28 14:29
人類が歴史の中で犯してきた数多くの過ちと、故にこそ貴重な希望の灯を、一冊の古書に託して語った大河小説。ペダンチズムの嫌味なく、すんなり愉しめる知的ミステリ。

No.44 5点 風船を売る男- シャーロット・アームストロング 2019/11/28 14:25
非常にサスペンスフル、でも根っからの悪人が誰も出てこないので読後感が爽やか。サスペンスにほんのりコージー風味が効いている。フェアな脇役たちにも好感が持てる。

No.43 5点 機械探偵クリク・ロボット- カミ 2019/11/28 14:22
フランス語のダジャレを、片っ端から日本語のダジャレに変換した、この翻訳は神業。ほっこりする素敵なユーモアミステリ。

No.42 5点 水時計- ジム・ケリー 2019/11/14 15:30
石と水の相克を通じて、沼沢地に生きる人々の希望と絶望、欲望と懊悩を摘出する、英国ミステリの伝統に根差した本格もの。舞台の風土のせいか二十一世紀っぽさがなんとなく希薄なのも面白い。

No.41 5点 ミスター・ディアボロ- アントニー・レジェーン 2019/11/14 15:26
カーのオカルト趣味の継承を目指して成功した?稚気あふれる小説。ホラーテイストが強い本格もので、幻想的な犯人像が印象深い。エスピオナージュ世界からスピンオフした、オーソドックスでユーモア溢れる本格ミステリ。

No.40 3点 メアリー‐ケイト- ドゥエイン・スウィアジンスキー 2019/11/14 15:22
ありそうもない設定に、予想不可能な展開。とあるSF的ガジェットが空前絶後の使われかたをした作品。
こんな馬鹿な使いかたを思いついた人はこれまでいなかったし、今後もこんな馬鹿なことを書く気になる人はいないでしょう。

No.39 5点 失踪家族- リンウッド・バークレイ 2019/11/08 20:40
平凡のなかに潜む狂気。家族の絆と正と負を描いた作品。ありえない設定が野心的でサスペンスの盛り上げ方もうまい。

No.38 6点 五番目の女- ヘニング・マンケル 2019/11/08 20:38
巨大なる主題を、等身大の視線で、真摯に描いている。社会批評と謎解きとが合体したプロットが見事。

No.37 7点 運命のボタン- リチャード・マシスン 2019/11/08 20:33
突然訪ねてきた見知らぬ男性に究極の選択を迫られてしまう夫婦の姿を描き、映画化された表題作をはじめ、13篇を厳選した日本独自編纂の短編集。
行ける伝説と化した異能作家による恐怖と戦慄の作品集。昔懐かしい「ミステリー・ゾーン(トワイライト・ゾーン)」のワクワク、ドキドキ感が甦る。

No.36 9点 アンダー・ザ・ドーム- スティーヴン・キング 2019/11/05 21:09
前作「悪霊の島」とは対照的に、質量共に圧巻の群像劇。衰えることのないキングの筆力に驚嘆。あきれるほど荒唐無稽な設定で、長い作品でありながら、飽きさせず読ませ切ってしまう力技に脱帽。

No.35 6点 暗闇の蝶- マーティン・ブース 2019/11/05 21:02
回想録風の神学的田園スリラー。大きなストーリー展開はないが、皮肉な結末と主人公の生き方と語り口が魅力的。

No.34 5点 謝罪代行社- ゾラン・ドヴェンカー 2019/11/05 20:59
混乱の極みの構成。死体を巡る化かし合いはそこはかとなくユーモラス。しかし主題は常に重く横たわる。全篇を覆う暗鬱な空気感と独特の文体は、好みが分かれるでしょう。

No.33 7点 愛おしい骨- キャロル・オコンネル 2019/10/25 15:35
町の人々の秘められた顔が明らかになるたびに新たな謎が浮かび上がり、時の経つの忘れて読み耽ってしまう狂おしいまでの愛の物語。なによりも終章直前の二つのダンス。罪と罪悪感と愛と憎悪の坩堝が美しく踊る。呼吸が停まる。

No.32 7点 死は万病を癒す薬- レジナルド・ヒル 2019/10/25 15:28
J・オースティンの未完の小説を下敷きにした、コージーでいて陰惨な探偵おとぎ話。ヒルの前にヒルはなく、ヒルのあとにヒルはなし。現代本格の前衛派。

No.31 5点 占領都市ベルリン、生贄たちも夢を見る- ピエール・フライ 2019/10/25 15:21
ナチスから敗戦直後にかけてのドイツの世情を切り取っている。ミッシング・リンクの謎は平凡だが、被害女性5人の個性的な人生が興味深く描かれている。それにしても表紙はひどいな。

No.30 7点 川は静かに流れ- ジョン・ハート 2019/10/16 21:09
一度入った亀裂は、他人同士よりも身内の場合の方が深いもの。本作は、主人公の心の中の時が静かに流れてほしいと祈りたくなる家族小説である。
人間関係のジレンマを抱えた主人公の成長が感動的。お涙頂戴にとどまらない計算されたプロットは素晴らしい。

No.29 5点 忙しい死体- ドナルド・E・ウェストレイク 2019/10/16 21:04
ウェストレイクの作品には、時に笑わそうとするあまりの気負いがありがちですが、この作品は力を抜いて書いている感じがする。楽しいコミック・クライムなのだが硬い訳文で損している。ウェストレイク版「ハリーの災難」か。

No.28 9点 愚者(あほ)が出てくる、城塞(おしろ)が見える- ジャン=パトリック・マンシェット 2019/10/16 21:01
ロマン・ノワールの頂点。クールな狂気という作風がより鮮明になった新訳により傑作がよみがえった。中条氏の解説が丁寧。もっといい題名がありそう。これでもギリギリ許せるけど。

No.27 5点 TOKYO YEAR ZERO- デイヴィッド・ピース 2019/10/11 19:54
イメージを楽しむ作品。癖のある文体は読者を選ぶが、この文章が病みつきになる。史実とその背後で蠢く暗黒の世界を描ききった作品。

No.26 4点 15✖24- 新城カズマ 2019/10/11 19:52
15人の視点から24時間の経過を追い、ツイッター的なスピード感で表現したスタイルが面白い。膨大な人物と物語が交差、交錯、衝突、並行の末に一つに収まる。最終章は知性と感情の双方を感動させる。

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八二一さん
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平均点: 5.76点   採点数: 425件
採点の多い作家(TOP10)
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ピエール・ルメートル(3)
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