皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
mediocrityさん |
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平均点: 6.23点 | 書評数: 286件 |
No.21 | 6点 | 赤い月、廃駅の上に- 有栖川有栖 | 2021/06/04 05:32 |
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怪談ということだが、怖いものは少なくて、むしろ泣ける話が多かった印象。
全て鉄道の話なのに、一見鉄道物に見えない『海原にて』の結末が面白かった。 |
No.20 | 6点 | 長い廊下がある家- 有栖川有栖 | 2021/01/31 03:12 |
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後半の2作は異色作。『ロジカル・デスゲーム』における火村の咄嗟の機転が最も印象に残った。表題作は、あんなにうまくいくものなのか若干疑問。 |
No.19 | 6点 | ブラジル蝶の謎- 有栖川有栖 | 2021/01/10 23:36 |
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本格的なものからネタに近いものまでバラエティー豊かで楽しめました。
『人喰いの滝』がベストでしょうか。 |
No.18 | 9点 | 女王国の城- 有栖川有栖 | 2020/12/18 07:42 |
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密度はシリーズ2作目、3作目の方が上だが、楽しさは圧倒的にそれらを上回っている。
謎解きは長さのわりにシンプル過ぎないかと始めは感じたが、さらなる仕掛けがあり重層的で驚いた。 この作品に限ったことではないが、有栖川作品は時々信じられないくらい貧相に感じるトリックが混ざっているのが逆に良い。 |
No.17 | 6点 | 朱色の研究- 有栖川有栖 | 2020/02/06 06:43 |
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前半と後半の雰囲気がまったく違って戸惑った。前半はいかにも本格推理といった様相なのだが、後半は脱線が多く(その内容自体は面白いのだが)最後は何だか火村に丸め込まれた感じだった。 |
No.16 | 7点 | ダリの繭- 有栖川有栖 | 2019/10/22 12:46 |
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なんだかいつもの有栖川作品と雰囲気が違う。
ダリに心酔する名物社長が、自慢のダリ髭を剃られた状態で繭のような健康器具の中で殺されている、という設定からしてユーモアミステリのようだ。謎解きにしても、使えそうなネタは何でも使っちゃえ、という感じで、ストーリーとしては非常に楽しい。 低評価が多いのは、偶然の多さ、後出し設定のようなものもあり与えられたデータのみから真実を推理しにくい、あたりが原因か。要は、緻密な論理が売りの有栖川作品にしては大味とでも言いましょうか。 変な話、もし作者の名前が「有栖川有栖」でなければ、平均点は6点台になっていたのじゃないかと思ってしまう。 |
No.15 | 4点 | マレー鉄道の謎- 有栖川有栖 | 2019/10/16 05:49 |
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日本推理作家協会賞受賞作とのことだが、氏の長編の中では『海のある奈良に死す』と並んで退屈だった。
マレーシア旅行の雰囲気を楽しめるほど周遊しているわけではない。蛍を見るあたりは良かったけど、そのくらいしか覚えていない。かといって、ミステリ部分、例えば密室トリックなども、この方の実力からすると平凡な気がした。 |
No.14 | 6点 | 白い兎が逃げる- 有栖川有栖 | 2019/06/25 23:47 |
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短編3作+中編の表題作。全て火村シリーズ。
①『不在の証明』 これが一番良かった。警察をまくために路地裏に隠れていたひったくり犯の証言と、被害者の関係者の意外な証言によって殺人の真相が解明する。 ②『地下室の処刑』 これも面白かった。他の作品でも出てきたテロ組織がらみの事件。展開も面白いし殺人の真相も面白い。 ③『比類のない神々しいような瞬間』 最近テレビドラマ(山村美紗サスペンスか『刑事ゼロ』か『科捜研の女』。どれかは忘れたけど「京都物」だった)でこのダイイングメッセージのネタが使われてました。こういう一部の人にだけ分かる系のものはあまり好きじゃないです。最後の決定的証拠もあんまり。 ④『白い兎が逃げる』 これだけ他より明らかにページ数が多いし期待していたんだけど、それほどいいと思わなかった。『マジックミラー』はすごかったけど、鉄道トリック物はよほど凝ってないと面白くないですね。 平均を取って6点にしましたが、前半2作8点、後半2作4点という感じで、かなり評価に差があります。後半2作は正直2時間ドラマの平均レベルくらいかなと。 |
No.13 | 7点 | 46番目の密室- 有栖川有栖 | 2019/06/16 03:08 |
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現状平均5.31点ということであまり期待せずに読み始めたんですが、何作か読んだ火村シリーズの中では上位に感じました。
特に足跡の謎解明が良かったです。タイトルの割に、本作の密室の謎はちょっと肩透かしだったかもしれません。個人的には動機が一番マイナスポイントですかねえ。 |
No.12 | 7点 | 暗い宿- 有栖川有栖 | 2019/06/12 01:35 |
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「宿」をテーマにした短編集。テーマは同じだが4作とも全く似通っていないのがいい。宿の形態も1作目から、営業を終えて売却寸前の元旅館、リゾートホテル、温泉旅館、東京の高級ホテルとバラバラ。『201号室の災厄』は有栖川氏は冒頭ちょっと出てくるだけで火村視点の異色作。個人的には『異形の客』が一番「宿シリーズ」というネーミングがピッタリで好き。 |
No.11 | 9点 | マジックミラー- 有栖川有栖 | 2019/05/06 06:07 |
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鉄道アリバイものも工夫すればここまで面白くなるのかと感動した。この種の作品が好きな人は文句なく楽しめるだろうし、苦手な人が時刻表部分を読み飛ばしても、その他の謎で十分楽しめるだろう。
学生アリスシリーズでも作家アリスシリーズでもないので、正直あまり期待してなかったが嬉しい誤算だった。 |
No.10 | 9点 | 双頭の悪魔- 有栖川有栖 | 2019/04/26 00:48 |
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有栖川先生、還暦おめでとうございます。
学生アリスシリーズ長編3作目。前作よりページ数も内容もスケールアップしている。ミステリー研究会メンバーが全員登場するのもうれしい。とことん理詰め(今回は消去法が多い)で謎を丁寧に解きほぐしていくのは前作と同じ。 例のごとく橋が落ちるが、今回は橋の両側で事件が起きてそれらが密接に絡み合ってるのが良い。もう少し終盤ビックリさせて欲しい気はしないでもないが、できないのではなくあえて抑えてるのだろう。 火村シリーズよりこちらのシリーズ方が好きなのに、未読が残り1作しかないのか。なんだか読むのがもったいないな。 |
No.9 | 4点 | 壁抜け男の謎- 有栖川有栖 | 2019/04/12 20:37 |
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色々な所に書いた短編の寄せ集め16編。半分くらいは推理小説ではない。
『猛虎館の惨劇』までに5つくらい面白い作品があったが後半はあんまり。 |
No.8 | 5点 | ペルシャ猫の謎- 有栖川有栖 | 2019/04/06 06:53 |
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各話感想
①『切り裂きジャックを待ちながら』 火村登場までは面白そうだったんだけど、謎解きはそうでもなかった。 ②『わらう月』 言われてみれば確かにそこから細工がばれるのか。最後の3行が面白い。 ③『暗号を撒く男』 小ネタとしては悪くない。長編では使えなかったのかな。 ④『赤い帽子』 申し訳ないが4割ほど読んでギブアップ。 こういう小説は苦手。 ⑤『悲劇的』 マーラーの6番シンフォニーから題名を取ったと書いてるが終わり方が逆じゃないか。あの曲は熟睡してても最後起きる。 ⑥『ペルシャ猫の謎』 まあ反則でしょうけど、短編で1回使うくらいなら別にいいんじゃないかと思った。 ⑦『猫と雨と助教授と』 え、もう終わり? ミステリ要素少な目かつ禁じ手?があるので平均点が低いのはしょうがないか。個人的には④以外は別に嫌いじゃない。点数は最後まで読んだ6作の平均。 |
No.7 | 9点 | 孤島パズル- 有栖川有栖 | 2019/04/02 21:30 |
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学生アリスシリーズの第2弾。まず、前作と比べると格段に読みやすい。
登場人物もメモを取らずとも覚えていられる人数で安心。派手なトリックとか、意外な犯人とか、声を上げてしまいそうなどんでん返しとかはないが、とことんロジカルで心地が良かった。 <以下ネタバレあり> 「自転車が外に2台」の時間が存在したんじゃないの?と思って読み返したら、3台目は見えてなかっただけで、ずっと3台でも問題ないんですね。納得。 電子書籍で購入して読んだから、これを確認するのにかなり時間がかかった。前のページを何回も確認する必要のありそうな本の電子書籍は今後避けよう。 |
No.6 | 7点 | スウェーデン館の謎- 有栖川有栖 | 2019/03/24 11:26 |
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派手さはないが丁寧でフェアでロジカル。そして何より現実的。スウェーデン館自体も普通だし、一般人が普通に手に入れられない物を一切使っていない。煙突はシンプルすぎて逆に驚きました。 |
No.5 | 4点 | 海のある奈良に死す- 有栖川有栖 | 2019/03/23 00:14 |
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なんか妙な引き延ばしが多くて退屈な場所が散在しているのは何故だろうと思っていたら、著者初の連載小説ということで納得。内容は意外にも内田康夫みたいな感じ。
短編集の中の1作でこの毒殺トリックと「海のある奈良」の秘密ならまだ許容した人も多いだろうが、400ページ近く長々と読まされてこれだけだと低評価もしょうがない。 |
No.4 | 9点 | 江神二郎の洞察- 有栖川有栖 | 2019/03/15 21:06 |
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学生アリスシリーズの短編集。469ページと短編集にしては分厚く読みごたえがあった。『月光ゲーム』で感じた妙な違和感はない。ということは他の大学の連中が変だったのか?
火村シリーズの短編も2冊読んでるが、こちらの方が断然好みだった。 ①『瑠璃荘事件』 デビュー作より時系列的に前で、このコンビ、いやグループ最初の事件。盗まれた講義ノートの犯人捜しという軽い話だが推理の骨格はしっかりしている。推理の問題点まで自分で指摘してるのがいい。 ②『ハードロック・ラバーズ・オンリー』 短いが印象に残る話。オチが良い。 ③『やけた線路の上の死体』 このトリックは無理があるのではないかと思う。 岩代~切目間であの事故が起こるのは変だ。正確に言うと、岩代駅を過ぎるまであの事態が起きないのは変だ。紀伊田辺駅を出て会津川を渡ってすぐの長い左カーブで起こるはず。 ④『桜川のオフィーリア』 死体も情景も雰囲気も美しい話です。 ⑤『4分間では短すぎる』 松本清張作品の矛盾点の話をしてたらいつの間にか『黒いトランク』の人間移動版みたいな複雑な話になってきて・・・ そのあとにばらされる真実がまたいい。 ⑥『開かずの間の怪』 大学生が廃病院で探検&かくれんぼしてます。ほほえましいです。 ⑦『二十世紀的誘拐』 何より設定が面白い。トリックも良いし、こんな妙な誘拐をした動機が良い。 ⑧『除夜を歩く』 モチの小説が意外と普通だった。もっと馬鹿げたトリックなのかと思ってた。新元号ネタはタイムリーだ。Kから始まる可能性が高いのか。 ⑨『蕩尽に関する一考察』 全く中身が予想できないタイトル。終わり近くまで読んでも全く謎解けず。古本屋主人の奇行の理由には感心。なるほどこういうパターンもあるのか。そしてきれいな終わり方です。 短編集とは思えないくらい読みごたえがあった。ちょっと甘いかも知れないけど満足!なので9点。 9編もあって、ほとんど人が死んでいないのは驚きだ。 |
No.3 | 6点 | 月光ゲーム- 有栖川有栖 | 2019/03/12 17:49 |
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綾辻さんの十角館もそうだったけど、恐ろしく違和感のある大学生集団だなというのが冒頭80ページくらいまでの感想。この時代特有の雰囲気なのか?
火山が爆発するまでは正直あまり面白くない。いや、火山が爆発してもなお、なんだかまだ遊んでるような感じで、死の危機に直面しているとは到底思えない。立ち読みして、買うのをやめた人が相当数いるだろうと勝手な推測。 あと、この作品に限ったことじゃないけど、プロローグを付けたがる推理小説が多いのはなぜなんだろう。確かに中盤、終盤まで読んで「あのプロローグはこの部分の伏線だったのか」とゾクっとさせられることもあったが、ほとんどの作品は大して効果を上げていないように思う。だって忘れてるし。 むしろ作品にすんなり入って行きにくくさせている分、損をしているような気がする。第1章冒頭の入り方がユニークなこの作品では特にプロローグは不要だと感じた。 前置きが長くなったけど、第1の殺人が起こってからは一気に話が進みます。論理的であり、投げっ放しの謎などもなく、レベルの高いデビュー作だと思います。 以下気になった点 ・登場人物が多すぎる。インパクトの強い5人くらいを除くと読み終わってもあまりイメージがわかない。 ・殊に犯人がそうである。 ・謎を解くには相当細かいところまで読む必要があるが、今までに読んだ著者の後年の短編集と比べると文章がまだこなれてなく、隅から隅まできっちり読むのは正直きつかった。 ・ダイイングメッセージがあまり面白くなかった。 ・動機が殺人を犯すレベルのものだとは思えなかった。 なんか文句ばっかりですが、2作目もいずれ読みたいと思いました。それだけですごいと思います。2作目読む気にならない作家も何人かいますから。 |
No.2 | 6点 | 英国庭園の謎- 有栖川有栖 | 2019/03/06 18:20 |
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なんというか、まかない料理のような感じの短編ですね。
長編のトリックに使うには専門的だったりトリビアすぎたりするけど、捨てるにはもったいないアイデアを料理しましたといったテイスト。 「ロシア紅茶の謎」は表題作が一番良かったけど今回のはあんまり。 「雨天決行」は謎解き可能か。専門用語だが、ヒントらしきものはあるし分からなくはない。 |