海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

YMYさん
平均点: 5.98点 書評数: 418件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.3 5点 闇に問いかける男- トマス・H・クック 2026/05/23 20:32
ニューヨークの公園で、首を絞められ殺害された少女の遺体が発見される。状況証拠によりホームレスの青年アルバート・スモールズが逮捕されるが、彼は頑なに事件への関与を否定する。
主筋は、容疑を認めないホームレスに対する二人の刑事の追求にあるが、その脇にはごみ収集人のエディ・ランブラスコを筆頭に、果たして少女殺しの一件とどう絡んでくるのか判然としない多様な登場人物たちの人生の一夜が同時並行的に進行している。そして二人の刑事たちの事件捜査が一応終結を見た後、静謐な雰囲気から湧き上がる興奮を抑えられない驚きの結末が待っている。
感動を誘う幕切れであることは疑いないが、この解決はあまりにも偶然に頼りすぎていて出来すぎの感は否めない。

No.2 6点 緋色の迷宮- トマス・H・クック 2022/12/27 23:25
写真店を経営しているエリックは、教職につく美しい妻とおとなしい息子との生活に満足していた。だがある日、八歳の少女エイミーが行方不明になり、ベビーシッターの息子キースに疑いがかかる。誘拐して性的暴行に及び殺したのではないかというのだ。
ここでは誰もが弱さを抱え、癒えぬ傷を持ち激しい不安の中で生きていて、ある者は倒れ、ある者は破滅へと突き進む。人々は対峙し交錯し事実を探り合い、奥深く埋め込まれた謎を解き明かしていく。
その巧妙な仕掛け、堅牢なプロットはさすがで、前三作には及ばないものの、それでも小説の醍醐味を十分に味あわせてくれる。読後感は苦く厳しいけれど、それでも随所で語られる諦観は人生の真実を照らしている。

No.1 6点 沼地の記憶- トマス・H・クック 2022/01/17 22:45
苛めを受けていたひとりの目立たない教え子の中に、才能の片鱗を見出した高校教師の物語。少年の力を引き出そうと殺人事件の調査を手伝わせるが、彼の思惑は思わぬ形で裏切られていく。幕切れ間近の鮮やかな反転は、読者をまたもや悲痛な思いへと突き落とす。

キーワードから探す