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糸色女少さん
平均点: 6.41点 書評数: 182件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.2 7点 いま集合的無意識を、- 神林長平 2017/09/17 21:13
1996年以降に発表された全6編を収録。「ぼくのマシン」は、主人公が初めて自分用のコンピュータを手に入れた少年時代の思い出を語る、「戦闘妖精・雪風」番外編。東日本大震災後に書かれた表題作は、作者自身を思わせるSF作家が語り手。
ある時、パソコンの画面に「いま、なにしてる?」という質問が浮かぶ。やがて、自分は伊藤計劃だと名乗りを上げた文字列を相手に”ぼく”は伊藤計劃最後の長編「ハーモニー」について語り始める・・・。
突拍子もない設定だが、いわばこれは、私小説仕立ての伊藤計劃論。語り手は彼の死を正面から受け止め、その志を受け継いで、<大丈夫だ、われわれが、ぼくが書いてやる>と力強く宣言する。
作者にしか書けない、破天荒かつ強烈な短編集。

No.1 5点 リライト- 法条遥 2017/09/01 15:15
筒井康隆の名作「時をかける少女」を下敷きに、SF史上最悪のパラドックスを仕掛けている。始まりは1992年の夏。未来人に恋した中学2年の美雪は、彼の命を救うために2002年へ飛び、10年後の自分の携帯を借りたはずなのに、2002年のその日が来ても、過去の自分が現れない。慌てて過去を調べてみると、自分が記憶する事実との齟齬が明らかに。後半で明かされる真相には思わず茫然。驚天動地の一発ネタで勝負している。よくこんなことを考えるなとあきれるしかない。

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糸色女少さん
ひとこと
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採点傾向
平均点: 6.41点   採点数: 182件
採点の多い作家(TOP10)
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