皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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猫サーカスさん |
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平均点: 6.19点 | 書評数: 407件 |
No.4 | 6点 | レパード 闇にひそむ獣- ジョー・ネスボ | 2019/11/26 19:20 |
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シリーズ物の主人公は大きく2種類に分かれる。境遇が安定している者と、激しく変化する者。ジョー・ネスボの描く刑事ハリー・ホーレは、後者の典型でしょう。ノルウェーの刑事という立場こそ変わらないものの、私生活や人間関係は、事件の影響で常に揺れ動いている。この作品でも、ハリーの境遇は大きく変化する。前作「スノーマン」の事件で心身に傷を負ったハリーは、休職して香港で自堕落な日々を過ごしていた。だが、母国で猟奇的な連続殺人事件が起き、帰国することに。捜査に臨むハリーの前には、新たな犠牲者が・・・。物語の中心はもちろん連続殺人犯の追跡。だが、他にもさまざまな苦難がハリーを襲う。父親のがんの進行。捜査の主導権をめぐる警察内部の縄張り争い。幾多の困難が絡み合い、緊張に満ちたドラマが繰り広げられる。舞台の広がりも忘れがたい。香港からノルウェー、さらにはアフリカへ。物語の要所に繰り広げられる、ハリーたちの生死を懸けたアクションシーンも強く印象に残る。重厚だが、激しい展開で一気に読ませる。 |
No.3 | 6点 | 真夜中の太陽- ジョー・ネスボ | 2018/12/07 21:53 |
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大金と銃を持って、ノルウェーの極北の地にやってきた男は、嘘も喧嘩も苦手な殺し屋らしからぬ殺し屋。ある母子と出会い、心を開いて親しくなる。だが、彼は追われる身だった・・。無駄を排したシンプルな文章ながら、人の心を緻密に描いてみせる。弱さを抱えた主人公はもちろん、脇役の一人一人も印象に残る。舞台は極北だが、温かさを感じさせる。派手ではないものの、結末の驚きカタルシスは忘れがたい。地味ではあるが、じっくり読ませる一冊。 |
No.2 | 6点 | 贖い主 顔なき暗殺者- ジョー・ネスボ | 2018/05/21 18:49 |
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オスロ警察の刑事ハリーの活躍を描くシリーズの第6作。クリスマスシーズンの街頭コンサートで射殺事件が起き、ハリーがクロアチアから来た暗殺者を追う。入念な犯罪計画と、その先にある意外な真相に驚かされる。ハリーを含む3人の人物の行動を描く序盤の叙述も、場面転換の手法が凝っていて印象深い。演出も構成も工夫の凝らされたミステリ。 |
No.1 | 6点 | 悪魔の星- ジョー・ネスボ | 2017/07/09 21:13 |
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ノルウェーのオスロを舞台にした「刑事ハリー・ホーレ」シリーズの第5作。殺された女性の遺体から珍しいダイヤモンドが見つかる猟奇的殺人事件。だが、ハリーは捜査に関与せず、同僚の殉職の真相を追い続けていた。第3作から続く殉職の謎と、本書での2つの事件が重なり合う。有能だが自堕落なハリーという主役を得て、濃密なドラマが繰り広げられている。 |