皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
邪魅さん |
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平均点: 7.05点 | 書評数: 57件 |
No.5 | 7点 | ミステリー・アリーナ- 深水黎一郎 | 2017/03/25 07:03 |
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良くもまあこれだけ考えたものです
いずれも叙述トリックとしてはごくごく有り触れたものですがこれだけ詰め込まれるとまさに圧巻、ただただ呆れるばかりです 呆れるというのは勿論褒め言葉ですが いくつか怪しい解決がないでもないですが それにしてもたまは流石に笑いますね 状況を想像してみるとシュール過ぎると言いますか しかし面白かったです |
No.4 | 7点 | エコール・ド・パリ殺人事件- 深水黎一郎 | 2017/03/13 12:25 |
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以下ネタバレを含みます
読者への挑戦状それ自身が、ミスリードを誘うものという作者の発想は面白いです 確かにそもそも海埜の推理が間違っている、と作者自身に宣言されてしまってはそうなのだろうと結論付けるしかないでしょう そういう意味ではこれは神様ゲームとも似た性質を持っていますね 海埜の推理を否定するだけの材料はあの時点ではありませんでしたから しかしそれが作者によって否定されてしまった、では新しく考える必要があります となるならば、密室を作りうる手法は一つに限定されてしまう すなわち、被害者自身である では自殺ということになり、第一の問の答はは宏之でしか有り得ない、と結論付けるしかなくなってしまうのです、一見すると 何故なら裏の事件は読者には巧妙に隠されているからです しかし作中作と、宏之の体調不良から鑑みると、裏の事件に気付くことも不可能ではないでしょう |
No.3 | 7点 | 世界で一つだけの殺し方- 深水黎一郎 | 2017/03/13 12:10 |
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不可能アイランドは結構お気に入りです
次々に起こる不可解な出来事の謎解きが楽しめました そしてそこから今作のトリックが科学的なものであるということは十分予測できますし、一見すると不可解な論文があからさますぎる手がかりとなっているところが面白かったです 科学トリックはフェアであることを両立するのが難しいのですが、こうした形でそれを成し遂げる手腕には脱帽でした そういう意味ではもう一作のインペリアルと像は、少々アンフェア気味ですから少し評価を下げるでしょうか |
No.2 | 7点 | 美人薄命- 深水黎一郎 | 2017/03/10 23:15 |
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カエ婆さんと主人公のやりとりが大層面白く、ミステリ小説の側面だけでなくユーモア小説としても充分読み応えのある話だったのではないでしょうか
ミステリーとしてはやや謎が弱いきらいはありますが、丁寧に読み進めていけばある程度、までは想像できるという点では評価に値します ただし、書かれている手がかりから全てを読み解くのが不可能だった、というのが少し評価を下げてしまっているのが残念ではあります でも結末はやはり鮮やかと言いますか、心動かされるものがありました |
No.1 | 8点 | ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!- 深水黎一郎 | 2017/03/08 10:15 |
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意欲作であることを認めつつ
確かに、このトリックだと読者が犯人になるでしょう 殺すつもりが無かろうとも、読者が犯人であるという香坂の弁に興味を持ち、そして終盤にかけてひょっとして死ぬのは香坂ではないのだろうかという予感を持ちながらも読むことを止めなかった とは言っても万人には受け入れがたいでしょうということも良く分かります これだと、犯人は作中の読者なのではないか、とこう思ってしまう訳です しかし、こう考えてはどうでしょう 香坂はパラレルワールドたる我々が読むという行為にすらも感応していたのでは? と、そう考えてみて 確かに、香坂誠一はこの世には存在しません しかし、香坂誠一は現実世界に居るはずの我々の読書を未来に渡って感応したのだとすれば、すなわち我々が犯人ということになるのではないでしょうか 作者の意欲に敬意を示し、8点という高評価を付けたいと思います |