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はっすーさん
平均点: 6.13点 書評数: 39件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.2 7点 魔眼の匣の殺人- 今村昌弘 2019/02/26 12:47
あと二日で、四人死ぬ――
ミステリ界を席巻した『屍人荘の殺人』シリーズ待望の第二弾!

その日、“魔眼の匣"を九人が訪れた。人里離れた施設の孤独な主は予言者と恐れられる老女だ。彼女は葉村譲と剣崎比留子をはじめとする来訪者に「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」と告げた。外界と唯一繋がる橋が燃え落ちた直後、予言が成就するがごとく一人が死に、閉じ込められた葉村たちを混乱と恐怖が襲う。さらに客の一人である女子高生も予知能力を持つと告白し――。ミステリ界を席巻した『屍人荘の殺人』シリーズ第二弾。

待ちに待った『屍人荘の殺人』の続編
前作の「アレ」の次は予知・予言という事で一見パワーダウンしたかのように見えますがむしろミステリ的には今作の方が出来は良いかと思います
特に特殊な状況下の設定を上手く使ったロジックは前作以上に凝っています
ただ特殊な状況下での犯人のとった行動の動機がイマイチ理解しづらかったり偶然が重なったりなどの気になる点も前作から引き継がれていたので点数は7点としました

No.1 7点 屍人荘の殺人- 今村昌弘 2017/10/14 15:54
神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と会長の明智恭介は、曰くつきの映画研究部の夏合宿に加わるため、同じ大学の探偵少女、剣崎比留子と共にペンション紫湛荘を訪ねた。合宿一日目の夜、映研のメンバーたちは肝試しに出かけるが、想像しえなかった事態に遭遇し紫湛荘に立て籠もりを余儀なくされる。
緊張と混乱の一夜が明け――。部員の一人が密室で惨殺死体となって発見される。しかしそれは連続殺人の幕開けに過ぎなかった……!! 究極の絶望の淵で、葉村は、明智は、そして比留子は、生き残り謎を解き明かせるか?!
奇想と本格ミステリが見事に融合する第27回鮎川哲也賞受賞作!

今年の鮎川哲也賞もかなりの力作
こんな状況下のクローズドサークルは前代未聞でしょう
そしてこの特殊環境でしか成立しないトリックの数々は必見です
中でも第2の殺人のホワイダニットは個人的にかなり衝撃的でした
ただこの状況下でしか成立しない事件のため犯人の思惑通りにどんどん事が運ぶのでご都合主義と言った批判は避けては通れないでしょう
しかしこの作品に対してご都合主義という言葉はナンセンスな気がします
この奇想を基に本格ミステリ作品を見事に成立させた作者には素直に拍手を送るべきだと個人的には思います


ネタバレ
ただ物語上仕方がないものの明智さんだけは生かしておいて欲しかったです…
正直比留子より明智さんの方がカッコよくて好きでした…


追記
他の方からセオドア・ロスコーの『死の相続』が先例としてあると指摘がありそう言えばそうだなとなりました
ただ『死の相続』のゾンビと今作のゾンビは少し種類が違い今作ではその違いをトリックに上手く取り入れているという考えは変わらないので点数も変更無しです
あと『死の相続』もとても面白いので未読の方は是非
『』

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はっすーさん
ひとこと
何かに偏ると、自分にとって素晴らしいと思える本に出会えないと思い、古今東西の作品を満遍なく読もうと心がけています。
あと評価がものすごく低い作品は、逆に読見たくなってしまう性質です。
また書評の文体...
好きな作家
山田風太郎・カー・横溝正史・連城三紀彦・麻耶雄嵩など
採点傾向
平均点: 6.13点   採点数: 39件
採点の多い作家(TOP10)
周木律(4)
市川憂人 (2)
カーター・ディクスン(2)
今村昌弘 (2)
早坂吝(2)
二階堂黎人(2)
白井智之(2)
アンソロジー(出版社編)(2)