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青い車さん
平均点: 6.93点 書評数: 483件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.6 4点 ホリスター将軍のコレクション- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク 2019/09/15 00:03
 これは少しイマイチだと思います。目撃者の女性がホルスター将軍の存在感を食ってしまうという目先を変える試みは、結果的に成功しているとはいえません。これまでの4作で濃厚だった「対決の快感」を殺してしまっているのは実に勿体なく、ストレートな1作として書き変えればもっと面白くなったように感じます。

No.5 7点 指輪の爪あと- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク 2019/09/14 23:54
 コロンボ警部の十八番である犯人への罠、いわゆる逆トリックが本格的に初めて使われた回。インテリながら短気な側面のあるブリマーを相手にコロンボは着実に証拠を集め、最後は彼の神経を逆なでして見事に罠にはめてしまいます。サブキャラのケニカット氏も偉ぶらず礼儀正しい態度を崩さないのに大物感を表している姿が魅力的です。

No.4 7点 構想の死角- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク 2019/09/14 23:40
 よく練られた第一の殺人と対照的に、あまりにお粗末な第二の殺人。そのお粗末さがドラマの中で必然性を持っている、という点に感心しました。そして、犯人が本来不十分な証拠で罪を認める、そのくだりでもう一捻り加えられている嬉しい意外さが楽しめます。スピルバーグによる唯一無二のカメラワークも大きな見どころ。

No.3 6点 死者の身代金- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク 2019/09/14 23:02
 こちらもドラマ版での感想です。本作の最大の見どころは何といっても犯人の落とし方で、普通の人間には通用しない手でも彼女には急所であるはずと読んだ、大袈裟に言うと犯人の心に付け込んだ解決になっています。そして、その解決に違和感を感じさせないよう犯人レスリーの内面を丁寧に描いている点が『殺人処方箋』と同様に上手いです。飛行機の操縦桿を握りながら、殺した夫に対する屈折した感情を覗かせるシーンが心に残りました。

No.2 7点 殺人処方箋- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク 2019/09/14 22:46
 記念すべき第一作にして、コロンボvs犯人の名対決というパターンを生み出した秀作。本作ではとりわけ犯人フレミング医師の造形が魅力で、冷酷さとそれを上回るスマートさを嫌味なく示しているのが印象的です。椅子に腰掛けながらコロンボの前で自ら犯人像を分析して見せるシーンなども実に洒落た演出でした。あくどい犯人を魅力的に描くという繊細な表現は旧コロンボならではで、ドラマ版でのフレミングの煙草を吸うシーンで締めるエンディングなど、新シリーズでは見られない芸当でしょう。

No.1 6点 歌う死体- リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク 2016/02/26 20:53
構成の緊密さが冴えたエピソードで、映像化されてもけしておかしくなかったと思います。テープレコーダーのトリックと他殺であることを見抜く推理は大したものではありませんが、被害者の飼い猫からいくつもの手がかりをつかむコロンボ警部の名推理は大きな見どころです。また、敏腕女性キャスターである犯人のシルヴィアがコロンボをテレビ出演に誘うくだりなどは他の作品にはない新鮮さがあります。僕は刑事コロンボの女性犯人ものは対決感が乏しいものが多いのが不満だったのですが、シルヴィアはコロンボと丁々発止の対決を見せてくれます。実に魅力的な犯人です。フェアな伏線に基づいた詰めに至るまでよく練られた秀作といっていいでしょう。

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青い車さん
ひとこと
正面からロジックで切り込むタイプの作品を愛好しています。ただ、横山秀夫『半落ち』なども夢中になったので、面白ければ何でも読む、というのが本当かもしれません。
雰囲気重視の『悪魔が来りて笛を吹く』『僧正...
好きな作家
エラリー・クイーン、アガサ・クリスティー、D・M・ディヴァイン、横溝正史、泡坂妻夫...
採点傾向
平均点: 6.93点   採点数: 483件
採点の多い作家(TOP10)
リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク(46)
アガサ・クリスティー(39)
エラリイ・クイーン(33)
有栖川有栖(32)
法月綸太郎(22)
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