皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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了然和尚さん |
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平均点: 5.53点 | 書評数: 116件 |
No.5 | 7点 | 掏替えられた顔- E・S・ガードナー | 2015/12/10 12:28 |
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ペリーメイソン12作目。ここまで続けて読んできましたが、よく言われるようにどれも平均点な感じで、外れがないです。(当たりもないと言われるけど)その中でも本作はベストに近いのではないでしょうか。
事件が見事に最後に一つにまとまっています。本格志向なので、伏線もうまくひらっています。鮮やかすぎて、引っかかりがなく印象に残らないことが欠点といえるぐらいの出来です。法廷ものとしても目撃者の視力(今では平凡だが)とか、デラの謎の失踪とか、検察側をはめて弁護側に有利な証人を探させるとか、あくまで論理で読ませてくれます。 ポケミス版ですが、入手に苦労しただけのことはありました。 (次作もポケミスですがなかなか見つからないですね) |
No.4 | 6点 | 危険な未亡人- E・S・ガードナー | 2015/08/27 08:23 |
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11作続けて読んできましたが、いつものように楽しめました。メイスンの寝技も段々危なくなってきますが、ついに逮捕されました。メイスン物はサスペンス活劇という先入観があり、今まで軽視していたのですが、実際はよく根拠が提示された論理を重視する本格物です。本作も、例えば事実と違っても自殺の結論をひねり出してごまかすような結末を予想したのですが、意外な犯人とトリックを暴いて決着しています。残念ながら、うかつにも金庫「室」というのを読み逃して、とほほな読後感になりましたが。 |
No.3 | 6点 | カナリヤの爪- E・S・ガードナー | 2015/07/27 10:51 |
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これまでの作品のような寝技工作や法廷での論争は減っているので、ペリーメイソン物らしくない感じもしますが、複数の事件や人物がぴたり収まる展開には感動です。最初の3作あたりでは、法廷活動が中心で、極論すれば自分の弁護人が無実になれば真相はどうでもよい(じつは真犯人であっても)という感じでしたが、本作では普通に本格物の名探偵的なポジションになっていて、謎を解決します。 |
No.2 | 5点 | どもりの主教- E・S・ガードナー | 2015/06/08 20:18 |
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これで9作目まで読みましたが、さすがに既読感があり新鮮さが無いですね。死体(罪体)の登場が遅く、それまでの登場人物は主教他胡散臭いので、ちょっと読みにくかったです。解決もどこまでが犯人とグルなのか理解しにくく、読み直しさせられましたが、それなりに本格の手がかりが示されており、感心します。デラ・ストリートが殺されかかるというテレビ映えしそうな場面もあります。 |
No.1 | 7点 | 夢遊病者の姪- E・S・ガードナー | 2015/04/09 19:47 |
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たいへんすっきり仕上がっていて、秀作だと思います。メイスン物は1作目から順番に読んできましたが、ベストかも。本作では法廷が重要な舞台で(意外とこれまでは、法廷シーンは少ない)、得意の寝技も封じられたりします。夢遊病者の姪が機会と動機が十分で、怪しすぎるのですが、ひと捻りあります。しかし、結末の文章があっさりすぎて、その分、よくできてるなと思うわりに読後の印象が薄いですね。 |