皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
∠渉さん |
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平均点: 6.03点 | 書評数: 120件 |
No.6 | 5点 | 疾風ロンド- 東野圭吾 | 2014/03/13 20:23 |
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好きですね、東野さん、冬。
『白銀ジャック』の続編なのかなぁと思いながら読んでましたが、根津さんが出てきましたね。比較的ライトなサスペンスで、キャラも展開も非常にコミカルで、読んでる間はけっこう楽しい。さらっとそれぞれのキャラクターの特徴がわかるように書かれていて、安心して作品の中に入り込めます。まぁ読み終わってみればなかなか滑稽な話でした。もちろん良い意味で。読む前、そして読みはじめのときはこんな感じで終わるとは、思わなかったなぁ。そういう意味ではなかなかサスペンスしてたな笑。 あと、ひとつ思ったのは、ここ1~2年の小説ってあまり読んでなかったから、東日本大震災後の物語という位置づけの作品が出てきてるんだなぁと、まぁ当たり前のことでしょうが、だからこそコメディタッチにした意図もあったのかなとも思い、エンタテイメントっていいな、と改めて思いました。 |
No.5 | 4点 | カッコウの卵は誰のもの- 東野圭吾 | 2014/02/10 17:11 |
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最初の書評を見てみると、ちょうど4年前の冬。というか発売日も合わせてたんでしょうね。奇しくも今は冬季オリンピックの真っ只中。まさかこの時期にこの本を読むとは(買ったのは昨年春)思わなんだ。そんなオリンピックの勢いにのせてあっという間読み終わりました。では、作品の感想⇩
ウィンタースポーツ+サイエンス+悩める親父ときたら東野圭吾というか、いかにも東野作品というか、いかにもすぎますね。けっこう展開が動くので読みやすいし、それぞれのキャラの思惑なり葛藤なりも非常にわからんでもない。良い作品だと思います。ただ、僕の知識不足でアルペンとクロスカントリーがどんなものか全然わからんから、これからオリンピック見てべんきょーします。 |
No.4 | 4点 | あの頃の誰か- 東野圭吾 | 2014/01/12 13:27 |
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こういう所から始まって後に良い作品ができていくのを鑑みると結構楽しかったですけどね。「とりあえず書かなきゃいけない」みたいな気持ちが出てて。
もちろん読者に対して親切でなくてはいけないというのは作家のスタンスとしては大事だと思いますが、そんな気概もないような感じが少し感慨深いし、東野さんにとっても感慨深いものだったのではないでしょうか。 「名探偵退場」が一番好きです。あとは・・・。 |
No.3 | 4点 | 虹を操る少年- 東野圭吾 | 2014/01/02 17:10 |
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自戒の念も込めた、4点。
どちらかといえばファンタジー。青春群像としても、読める。 ただ、本作では若者たちの敢然と大人たちに立ち向かう姿を描いてはいるが、これがなかなか、理解できない。若者が決起する姿は差し詰め70年代の学生運動といったところ。けれど、この作品では武装してなにかしようというのは旧モデルらしく、光を用いて独自のコミュニケーションを用いて世の中にメッセージを発信するそう。ただどっちにしろ理解には苦しみますね。ここでは若者たちを欲や権力にまみれた大人たちに立ち向かう姿をいきいきと、美しく描いていますが、傍からみればカルトにも思えるし、滑稽にも思える。主人公の光瑠も良く言えば達観しているのかもしれんけど、どうしても天才少年のすることとは思えないことばっかりしてて、なんかイマイチ見えてこない。やっぱ達観はしてませんね。前言撤回。 自分も平成生まれでまだギリギリ10代ではあるけれど、この世界の登場人物にはなれないなぁとつくづく感じた。そういう意味では、ラストの方に出てきたじいさんみたいに、スレてない人生には憧れを感じた。だから光ったんですもんね。 壮大なプロローグを引き延ばしたような構成は、好き。それも相まってラストもかなり好き。 |
No.2 | 2点 | 殺人現場は雲の上- 東野圭吾 | 2013/12/18 12:09 |
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決して悪くもないんだけど採点するとこーなっちゃう感じの作品。
他の東野作品をたくさん読んじゃってる分どうしてもねぇ、ってところもあるけれど、ビー子のキャラは好きだしちょっと笑えるし、作品として非常に明快なところはさすが大阪人っていう感じを受けた。 旅行なり出張なりで空の上の2時間3時間を過ごすのにはベストなのでは。 |
No.1 | 4点 | 変身- 東野圭吾 | 2013/12/16 15:10 |
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読み終わってまず思ったのは、東野さんってやっぱ文系だな、ということ。
確かに内容はサイエンス的なものになっているけれど、東野さんが書きたいのはあくまで人間なんだな、と思った。それを効果的に表現するのにこういう題材を持ってきたんだなという印象。他作品でもそういう印象を少なからず抱いていたのだがこれ読んで確信。 そんでもって他の方々が言ってるように展開はまるわかりだけどゾクゾクしたりハラハラしたりちょっぴり感動したりという読ませる力はさすが。結局展開力があるんだなと思う。 ラストも下手にサスペンスフルにせずに、読み手に心とは?意識とは?そして人とは?といった問いを投げかけるようなラストで良。 ミステリ=神秘的という概念が個人的には根底にあるので、推理小説ではないにしてもとてもミステリアスな作品だった。 |