皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
∠渉さん |
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平均点: 6.03点 | 書評数: 120件 |
No.10 | 2点 | パンドラの恋愛能力共通一次テスト- 小峰元 | 2014/02/10 16:06 |
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ユーモア路線の連作短編。形式にとらわれず主人公の立ち位置が話によって変わるのは愉快。「恋愛」がキーワードになっているけど物語事体にはあんまり恋愛要素もなく、意外とかっちり書いてる。なかなかマンダムですな。 |
No.9 | 2点 | ヒポクラテスの初恋処方箋- 小峰元 | 2014/01/30 23:55 |
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挿絵があって読みやすい。
ただ、キャラクタが似たり寄ったり。既視感ハンパない。 言えることは、それだけ。面白いんじゃないでしょうか。 |
No.8 | 2点 | ホメロスの殺人方程式- 小峰元 | 2014/01/26 13:13 |
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こんなに回りくどい謎解きもなかなかないのでは。
わざわざ起こる事件を方程式にしてから解くとは・・・。 こんな青春もありなのでしょうかね。 キャラクタは相変わらずの小峰節でした。これまたくどい。 青春とはくどいもんです。 |
No.7 | 3点 | 親不孝のすすめ 青春の独立宣言- 小峰元 | 2014/01/14 22:41 |
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青春"ミステリ"とは名ばかりな、というか推理小説じゃなかった・・・。ティーンエージャーの生態を探るミステリっちゃあミステリ。小峰さん流の「少年よ大志を抱け」じゃないけど、スタンスというか、悩める十代がんばれ、みたいな想いは伝わってきたかな、3割位。とかくミステリでは、ない。
でも最後の「独立宣言」には、ちょっと救われた。 |
No.6 | 2点 | プラトンは赤いガウンがお好き- 小峰元 | 2014/01/08 18:08 |
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女版「小峰元」ことパトラのマシンガントーク?が冴えわたるどんでん返し必至のユーモアミステリ。楽しけり、楽しけり・・・ |
No.5 | 5点 | ディオゲネスは午前三時に笑う- 小峰元 | 2014/01/07 22:31 |
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アルキメデス~パスカルまでの流れが結実した作品という印象。もうソクラテスがピークかなと思っていたので読んでびっくり面白い。物語の全体に漂う物悲しさ、虚無感。そして反対に青春を生きる若者のエネルギー。表裏一体で脆く繋がっている二つが良く描かれています。構成の妙もあって好い。
そしてなんといってもミステリが本作は仕上がってるというか、納得できます。そりゃケチをつければきりないんだろうけど。 あと小峰作品に総じて言えることだけれど、なぜ小峰作品に登場する若者達はどうしてこんなにギリシャの偉人にこだわるのかが少しわかった感じがした。タイトルにこじつけてるからと言ってしまえばそれまでだけれども、彼らにとっての拠り所なんですね。とくに哲学なんかは全てに通じる概念のような感じもあるけど意味がないっちゃあ意味がない。究極に。そういうところが物語の中にも浸透していて虚無を生んでるのでしょう。以上。 |
No.4 | 2点 | パスカルの鼻は長かった- 小峰元 | 2014/01/07 21:03 |
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小峰元の青春×ミステリ第4弾。
学研の「高3コース」なる雑誌に連載されてたとか。当時のティーンエージャの支持がうかがえます。 小粒(ヒッグス粒子もびっくり)なミステリではありますが、かけがえのない仲間とかけがえのない青春を全力疾走する姿は、いいんじゃないでしょうか。自意識過剰で馬鹿で小生意気で小粋な主人公の「小峰元」は世代こそ大きく違えど、男なので「わかる!」というところもなきにしもあらず。やっぱ青春は小っ恥ずかしいからこそ、良い。 あとタイトル好き。 |
No.3 | 4点 | ソクラテス最期の弁明- 小峰元 | 2013/12/28 18:05 |
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青春推理の雄、小峰元の第3長編。
前2作の踏襲と今後の指針を見せてくれたような作品。 推理小説としては前2作よりさらに薄味で完成度も劣っている(キッパリ笑)。 なんて言ってはみたものの、是非おススメできるか?と聞かれたら是非読んでくれ!と、言いたいんですよ、僕は。 要するに、安全保証はしない作品だけど、読んでおくれよということ(要せてない笑)です。 では、再び感想⇩ 10代のリアルが良く書かれていると思います(ホントかよ笑)。とは言ってもただリアルに書くのではなくそこにある滑稽さを愛情たっぷりに描いていて、ピカレスクではあるけども愛がある、決して批判精神に則らないところに、人柄がうかがえます。こりゃ西野カナもびっくりですわ(超批判精神笑)。 うまく感想言えてないので今回はこのへんで。 |
No.2 | 4点 | ピタゴラス豆畑に死す- 小峰元 | 2013/12/25 00:25 |
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粗いミステリ描写が印象的な長編2作目。
でも意外と嫌いじゃない。むしろ結構好きな方。 前作とは違って若者が陽性になってたり、大人たちの思惑もあったりで、青春群像ながら前作と一味変えようという工夫が見られます。会話も小気味いい。 もうひとつピタゴラスがしっくりこないところが惜しまれる点ではあります。「アルキメデスは~」はそれなりにしっくりきてたので。 でもこの作品の決め手はやはりツチノコ。ラストなんか「人生って豆畑の周りをウロチョロしながら、いるかどうかもわからないツチノコを捜しているようなものじゃないかしら」なんて名ゼリフ?が飛び出したし。まぁこんな青春も悪くない。 あと、まだ数年前まではツチノコって実在すると思ってたなぁ、なんてことも思い出したりもして。サンタクロースはいるのでしょうかね。メリークリスマス。 |
No.1 | 4点 | アルキメデスは手を汚さない- 小峰元 | 2013/12/22 00:35 |
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ミステリ好きはどうしてもトリックの弱さがこの作品における一つのネックになっているようで。例にもれず僕もそういう印象を受けました。乱歩賞という看板もあればなおのこと。しかし、解説を見ると選考の時点でそういう話が出てたそうなので、ではここでこの作品がただの凡作か乱歩賞かを分けたのは、青春小説として確立された作品であるということだと思うのですが皆さんの感想を見るとそれも賛否の分かれるところ。
あまりに血色の良い若者がいなさすぎて気持ち悪い感じは否めませんが、僕はここ(青春小説の部分)に好印象を持ちました。若者達が社会や家族、そして犯罪やセックスに独特な価値観を持っていてそれが大人たちとの断絶を生む様はなかなか面白い。その若者達の描写が小気味わるく描かれていて引き込まれました。 それにラストも中々好きです。青春にピリオドを打って終わるところが何とも言えず。 あとはなんといってもタイトルがやっぱり良いですね。手に取って読みたくなる。どういうふうにタイトルと物語がリンクするのだろうかと思っていましたが、それもとりあえず納得。 ただ、やはりこの作品は登場人物の感情や心情の部分しか読ませるところがないわけでもないのですが、非常に弱いのが難点。でもそれを現在に引き継いで深化させたのがやはり東野圭吾だと思います。「放課後」に限らず「卒業」や「悪意」、そして「白夜行」などに本作のエッセンスが含有されたと思います。 柳生隆保の姿に確かに僕は桐原亮司の影を見ました。ふふ。とかいって。 |