皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
T・ランタさん |
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平均点: 6.16点 | 書評数: 43件 |
No.4 | 7点 | 人形が死んだ夜- 土屋隆夫 | 2011/10/10 05:17 |
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読後に何とも切ない気分になった作品です。
手っ取り早く説明すればある事故を契機に事件が起こるのですが、その辺りの前置きが丁寧なため事件が起こる前に犯人、被害者、動機が分かってしまうと言う事態になっています。 その辺り「聖悪女」に似ているかも知れません。 そういう訳で焦点はどのように犯行に及んだかと言うことになります。その辺りはある程度の意外性があります。 しかし最も印象的なのは最終章の展開でした。 「物狂い」から引き続き登場する土田警部が主人公ですが、このような末路で良いのかと思わざるを得ませんでした。 |
No.3 | 6点 | 物狂い- 土屋隆夫 | 2011/10/10 05:04 |
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土屋氏の作品としては少し微妙な評価です。
長い割には焦点がアリバイトリック一点なので動機の平凡さもあり、やや弱い印象があります。 捜査する側の刑事課はなかなか個性的な印象で、「人形が死んだ夜」以降彼らが登場しないであろうと思われるのが残念です。 |
No.2 | 8点 | 危険な童話- 土屋隆夫 | 2010/01/17 06:23 |
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土屋氏の代表作として挙げられる作品です。
ある男が殺害され、容疑者が逮捕されるが決定的な証拠が見つからない。 その一方で各章の冒頭に載っている童話と思われる文章。 それが結びついたときに真実が明らかになります。 「童話」が単なる雰囲気作りでなくプロットの中核をなしている辺りが本作の評価を高めているのだと思います。 そして事情はあれども犯罪が残した代償は大きいと言う結末。 これも土屋氏の作風なのかも知れません。 |
No.1 | 7点 | 不安な産声- 土屋隆夫 | 2010/01/14 17:40 |
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いわゆる倒叙型、犯人視点中心の小説です。
犯人はもちろん、トリックも明かされているので動機に焦点が当てられる事になります。 それには犯人の職業が関わっているのですが・・・ しかし事を起こしたあとで・・・と言うのも辛いものです。 どんな罰も覚悟した犯罪者でもこればかりは絶望感を味わうのではないでしょうか。 これも一つの罰なのかも知れませんが、あまりにもやりきれません。 |