皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
take5さん |
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平均点: 6.61点 | 書評数: 387件 |
No.10 | 7点 | 声の在りか- 寺地はるな | 2025/08/12 19:06 |
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主人公希和の描写が繊細で
大変素晴らしかったです。 読んでいてハラハラしたし 最後は力をもらえました。 子どもをもつ親なら納得の 描写が多々あるでしょう。 |
No.9 | 7点 | やわらかい砂のうえ- 寺地はるな | 2025/08/10 14:26 |
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人はひとりでは生きていけない、
なんて言うけど、 誰かと手を繋いでいたら 転んでしまう時だってあるんだと知った。 ためらいなく繋いだ手を離せるように、 隣を歩いている人を信じる。 自分の足でしっかり立つ。 そのことを、忘れないでいよう。 (引用終わり) 主人公万智子の早田に対する感じ方が 喜びも痛みも伴って変わっていく様が 反転、反転、また反転と、人生という ミステリーを体現していて素敵でした |
No.8 | 7点 | 夜が暗いとはかぎらない- 寺地はるな | 2025/08/09 17:36 |
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ショートストーリーそれぞれの主人公が
それぞれ関わりをもっている事を知れど その見え方は、当たり前だが想像できず しかし出来事を超えていく中で、次第に 見え方を変えていく力強さが感じられて その証明が、最終章のあかつきん視点で 成されるというこの構造に感服感謝感涙 |
No.7 | 8点 | 水を縫う- 寺地はるな | 2025/08/06 13:39 |
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作者登録済みで作品は未登録。
寺地はるなさんの小説の中では 限りなくミステリーから遠いと 分かっていますがお許し下さい 水を縫うとは、どういう意味か 6つの作品を読み進めていって 全体像が浮かび上がって初めて 静かな余韻と共に分かりました 気持ちの齟齬を越える人の営み その厳しさと美しさを感じます |
No.6 | 8点 | いつか月夜- 寺地はるな | 2025/07/10 03:21 |
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寺地はるなさんが好きです。
寺地さんの描く人間像には、 読者が自身の中にあるかつて もっていたもの、忘れていた もの、そして今気付かされる まの、それらが詰まっていて 突きつけられるのですが最後 優しさも感じるのです。救い ではない優しさ。それは共に 歩いた夜の散歩仲間がやがて 一人で歩き出すための力の素 ということです。名作です。 |
No.5 | 8点 | わたしたちに翼はいらない- 寺地はるな | 2025/01/04 11:42 |
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登場人物が、
なぜそのような行動をとるのか? それはどの様に認知されるのか? 認知の変化は何がもたらすのか? それぞれが学生時代を引きずって 生きている様が筆力高く描かれる 人生の機微こそミステリーです。 寺地はるなさんは人間を描いたら 名人だなと思う次第であります。 |
No.4 | 6点 | 正しい愛と理想の息子- 寺地はるな | 2025/01/02 11:13 |
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「ああ、そうか。
とつぜん視界が開けた。 すべての愛は、正しくない。 正しい愛などというものは、 この世に存在しない。」 タイトルからの反転。主人公ハセが、 詐欺まがいの人生から気づく境地に、 私にも作品から気だるさ曖昧さと共に やはり気付かされる事がある様です。 |
No.3 | 8点 | 川のほとりに立つ者は- 寺地はるな | 2024/12/29 16:20 |
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「川のほとりに立つ者は、
水底に沈む石の数を知り得ない。」 ※作中『夜の底の川』より 多くの物語がそうである様に、 傷ついた人々が他者に救われ、 そして再生していく。 そんな展開を希望する… その思い込みこそが罪かもしれない。 作者は作中でそう語ります。 人は誰でも物事を一人称で捉えます。 ここでいう物語は現社会と同意です。 私たちはこの物語を読みながら、 主人公が、勇気を出して差し伸べた手を 振り払われた瞬間の、 痛いほどの恥ずかしさを、 いたたまれなさを追体験するのです。 見えている世界を反転させた時、 痛みと共にそれでも必要だったと 思える読後感を得られました。 読書の可能性を感じる222ページ✨ |
No.2 | 7点 | タイムマシンに乗れないぼくたち- 寺地はるな | 2024/12/27 14:03 |
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人はなぜ同調圧力を疑いながら
そこに屈してしまうのだろう? 人の心の機微を繊細に描く作品 全ての短編が心に残る200ページ 河合隼雄物語賞受賞作者による 素晴らしい物語の数々でした。 |
No.1 | 8点 | 今日のハチミツ、あしたの私- 寺地はるな | 2024/12/22 09:36 |
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「もし明日人生が終わるとしたら、
きっとわたしは、喜ぶ。」 という主人公の碧の物語。 ラスト、 「まぶしく光っている方向を目指して、 ゆっくりと自転車を漕ぎ出した。」 まで、 こうやってネタバレしても構わないほと、 綺麗事とは対極の人物描写。 「あさのはちみつ」がキーアイテムで、 誰の?何処の?何故そのネーミング? これらが230ページあまりで見事に 描き切られます。 書き下ろし。 私も今朝ははちみつりんごトーストを 食べました。 |