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take5さん
平均点: 6.51点 書評数: 283件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.263 7点 恩讐の鎮魂曲- 中山七里 2023/11/19 11:56
御子柴シリーズ第三弾
よかった点
緊急避難をめぐる伏線回収(因果応報)が
よく描かれています。
また、特養老人ホームをめぐる
今日的課題もよく描かれています。
難点
登場人物の背景をめぐる伏線回収が
too match過ぎて
カタルシスを通り越しています。
でもお休みの午前中に
二時間ちょっとで一気読みできた
リーダビリティは高く、
よい時間を過ごせました。

No.262 5点 復讐の協奏曲- 中山七里 2023/11/18 17:06
御子柴シリーズ
キャラ設定が特殊な事に加えて
被害者関係者と加害者がシンクロするという
かなり作り物の世界を読みます。
まあ小説ですから作り物の世界でも
よいのです。
最後の法廷のくだり、
ページの制約か?と思うほど
あっけなく終わりました。
情報屋の能力高っとか、
突っ込みどころ満載ですが
リーダビリティも高っです。

No.261 7点 翼がなくても- 中山七里 2023/11/12 14:21
こちらのサイトで皆様から
中山七里を教えていただき
御子柴という極めてキャラの立つ
主人公に親しみ始めた訳ですが、

その御子柴をサブにした番外編。
私、陸上に親しむ陸上小説好きで
そのような作品をいくつか
読みましたが、青春物でもなく
しかし狂気をはらむスポーツの世界は
一定のレベルで描かれております。

ご都合主義の極致という点も幾つかあります。
殺害後の処理とか、
何と言ってもデヴィッドガーターの下りとか。
でも繰り返しになりますが
全力で走る実感がシンクロする
私には、
200mの表現だけでよい小説でした。

No.260 8点 はるか、ブレーメン- 重松清 2023/11/04 14:56
人生の最後に見ると言われる走馬灯。
その走馬灯を改変する仕事があるという。
たどり着きたくてもたどり着けない
そんな存在をブレーメンの町になぞらえて
物語は進みます。
人間の記憶こそ最大のミステリー。
いつもは解き明かしたいと思う真実、
その真実という概念にも新たな光を当てる
名作でした。

No.259 7点 成瀬は天下を取りにいく- 宮島未奈 2023/10/22 21:55
これで感想文書くのもすごいが、
小学生の知人に薦められて読み終わり、
ふとこのサイトの検索に
『成瀬』と入れてみたら登録済み!?
いやこれミステリーなら何でもあり
と思いますが、
素敵な作品なのでまあいいや。
最終章の成瀬の人間っぷりが爽やかで
全ての小中高校生に推します。
自分を貫く事が苦しい昨今、
これはファンタジーかもしれないけれど、
君の何かを肯定してくれるはず。

そして世の中の私のような父は
成瀬の魅力に鑑みて
子にスマホを買わない接し方を
ありとバイアス気味に肯定されるのでした。

No.258 7点 宵待草夜情- 連城三紀彦 2023/10/16 13:03
1983年版の、
作者自身の後書きがとてもいいです。
作品5つの中で、
個人的には四番目『花虐の賦』が一番。
かぎゃくのふ、で合ってますか?
賦って税金とかだとしたら暗喩が
効いていますね。
勘違いだとしたら恥ずかしいですが。

No.257 7点 禁断- 今野敏 2023/10/14 18:46
すらすら読めます。
典型的なやくざが出てきたり、
警察の様子は警察小説の典型で、
横浜を舞台にテレビのドラマのよう。
ただ、
中国の要人とあれほど簡単に合流して
心通わせていくのはいくらなんでも
都合がよすぎるかと。
前半の不穏な空気感はよかったのに。

No.256 4点 『アリス・ミラー城』殺人事件- 北山猛邦 2023/10/01 14:41
すみません。
叙述トリックを楽しみたくて
借りたのですが
途中で寝ていました。
体調のせいでしょう。
こんな理由で評価されるなんて
ファンの方に失礼ですが、
物語や人物そのものの魅力が、、、
否体調のせいでしょう。

No.255 7点 闇に香る嘘- 下村敦史 2023/09/23 17:47
江戸川乱歩賞受賞
一人称の文体が効果的な作品。

学習の一環として点字を打った事があり、
トリックは想像がついたのですが、
確かめるまではしないまま読み進めました。
主人公が兄の存在に不信感を抱いて、
母がそれを知った際の反応の叙述、
そこで真実が朧気ながら見えます。
苦難の歴史の中で母は慈愛を育てる、
1つ前に読んだ作品の母子愛とは
異なる深さですね。

中国残留孤児問題に触れる
社会的事象を学ぶ意味でも
意味のある読書でした。
1つ前に読んだ作品の三割り増しで
時間がかかりました。よい意味で。

No.254 6点 聖母- 秋吉理香子 2023/09/23 14:19
叙述トリックもの260ページ
食後にサクッと90分読了、
あっという間に読めます。

毒を含むタイトル通り、
内容はどくどくしいです。
猟奇殺人、不妊治療、母子愛。

うまいのになぜか刺さらず、
うまいですよ。
でも隠れ蓑になる元祖猟奇者との接点が、
ご都合的で、そこだけが残念。

結論。
最後は好みですねそればっかりは
しょうがない。

No.253 7点 追憶の夜想曲- 中山七里 2023/09/19 19:57
みりんさん、
飢餓海峡ありがとうございました。
当方は逆に中山七里で
書評続けさせて頂きました。
飢餓海峡、
なぜか三日天下で残念でしたが、
社会派の名作なので
何方かまた読んで頂けたら幸いです。


さて、本題ですが、
読後感がひどく悪い!
そんな名作。
300ページしかないのに、
あれほど人の悪意を
入れ込みますかね。
そしてこれでもかと伏線の回収を
ぶっこみますかね。
軽妙なやり取りが素敵な
よくできた法廷ミステリーでいいのに。
御子柴の生い立ち回収まで、
一気に読ませてしまう筆力。
一章の頭が前作のおさらいということを
引き算すると、
ますますコスパのよすぎるページ数。
内容が息子とシェアできない
(したくない)のだけ残念。
こんなに波乱万丈なら、
御子柴の三作目はどうなってしまうのでしょう?

No.252 7点 贖罪の奏鳴曲- 中山七里 2023/09/18 10:54
好きなタイプのミステリーでした。
法廷での大逆転。
キャラの立った主人公の生い立ちと
メインストーリーのリンク。
人が更正できるのなら、
その要因は何なのか。
少年犯罪を扱う社会派でもあり、
今後もこのシリーズで
しばらく楽しめそうです。
300ページ未満のこなれた文章も
大変好ましいです。

※主人公が弁護士として
やっちゃいけない運搬をしてるのも、
かつての教官のいう、
死ぬまで贖罪の労を惜しむな
ということを体現していて良しと。

No.251 8点 名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件- 白井智之 2023/09/06 19:51
バタバタと人が死に、
げぼが撒き散らされ、
どうなることかと思いましたが、
反転、反転、また反転、
これ程練り込まれたロジックは
なかなかないなと、
現代ミステリーの1つの到達点です。
情緒や風情を求めずに、
紙媒体の可能性を広げた名作と言えるでしょう。

はらわたから2年でここまで精度が上がるとは。

No.250 7点 空中ブランコ- 奥田英朗 2023/09/03 22:56
イン-ザ-プールが7点だったので
もう少し高くてもよいかとおもいましたが
四捨五入して7点ということで。
伊良部シリーズはとにかく読みやすい
そして面白いです。
精神科医としてめちゃくちゃな様で
読者にも痛いというか刺さる
ところが出てくるのが、
ユーモア作品の王道です。
一話の長さもちょうどよいです。

見たことはないですが、
映画やアニメにもなった様です。
キャラが立っている証拠ですね。

No.249 7点 イン・ザ・プール- 奥田英朗 2023/09/02 16:33
伊良部シリーズは読みやすいです。
ミステリーの範疇かは定かではないですが。
主人公の思い込む世界が反転するのを
読者として追いかけるというスタイル。
5つの作品のいずれかには、
誰しも多少思い当たる事柄が在るのでは。

因みに学校公開で訪れた中学校の学級文庫に
奥田作品がずらっと並んでいました。
自家中毒予防?

No.248 7点 短編少年- アンソロジー(出版社編) 2023/08/26 17:36
収録作品
「逆ソクラテス」 伊坂幸太郎
「下野原光一くんについて 」あさのあつこ
「四本のラケット」 佐川光晴
「ひからない蛍」 朝井リョウ
「すーぱー・すたじあむ」 柳広司
「夏のアルバム」 奥田英朗
「正直な子ども」 山崎ナオコーラ
「僕の太陽 」小川糸
「跳ぶ少年」 石田衣良

特に『逆ソクラテス』の伏線回収が素敵。
どの作品も少年時代を瑞々しく切り取った
素敵なものばかりです。

No.247 6点 家日和- 奥田英朗 2023/08/24 05:54
ミステリーでも
ミステリーではなくとも
一番身近な家族を題材としたものが
読んでいて安心して面白い
しかもそこにユーモアがあれば尚更、
というのが私の定説です。
私見です。

No.246 9点 言葉屋 言箱と言珠のひみつ- 久米絵美里 2023/08/21 16:12
朝日学生新聞社児童文学賞受賞
大人こそ言葉の持つ意味、力を再認識できる
必読の一冊です。

詠子のもらった手紙の秘密は、、、
言葉を題材とした
言葉を大切にした筆者の
人間を描く力が琴線に触れる名作です。
たまたま息子に借りて読んで
豊かな時間でした。

No.245 7点 リバー- 奥田英朗 2023/08/18 12:57
この作品をなぜ選書したのか
忘れてしまいましたが、
図書館から予約の連絡が来て
読んだ次第です。
読了し、この書評の前に、
既読お二方のコメントを見て、
それぞれ納得。
ミステリーとして弱いが
物語として読みごたえあり。
人物像は立ち上がっているが
事件の整合性は疑問。
警察の様子はよく書けています。
630ページも凄いねと息子が言う割に
サクッと読めました。

No.244 6点 マスカレード・ゲーム- 東野圭吾 2023/08/12 12:05
360ページ、二時間で。
東野圭吾は読みやすい。
マスカレードシリーズ第4彈
前半の群像劇は面白いですが、
終わり方が私にはいまいち。
映画化が透けて見えてしまいます。

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take5さん
ひとこと
古今東西ミステリーは沢山ありますが、
すばらしい古典に出会った時、
人間が描かれている作品に出会った時に、
ああ読んでよかったと思います。
そういう作品に一つでも出会えればと、
このページを覗...
好きな作家
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採点傾向
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