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take5さん
平均点: 6.62点 書評数: 449件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.429 7点 心ひき裂かれて- リチャード・ニーリィ 2026/01/11 14:26
45年前の作品を図書館の閉架から出して
名作を読ませて頂きました。一人称記述の
心理描写がとてもうまいので古さは感じず
恋愛場面も緊迫場面も大変読みやすいです。
サプライズエンディングに向かう最終盤は
記述を少し重ね過ぎたきらいがありますが、
一昔前のアメリカ社会の病理という感じが
それこそバイアスですが感じられました。
レイピストを隠れ蓑にしたサイコパス?

No.428 7点 Pの密室- 島田荘司 2026/01/06 14:46
「鈴蘭事件」・「Pの密室」中編二編
幼い頃の御手洗が解決した事件2つ
鈴蘭事件が幼稚園、Pが小学低学年
あまりにも子ども離れしたIQと、
人間の裏を知ってしまった悲しさを
持ち合わせる探偵が辛く切ないです。
体が子ども頭脳は高校生のコナン君
とはおよそかけ離れたのりの重さが。

薬学や数学への伏線が盛り込まれて、
さすが島荘と思いました。更に序盤、
キヨシ君の父が総力戦研究所にいた
くだりとか、社会派島荘の片鱗です。

No.427 8点 羊の告解- いとうみく 2026/01/05 20:12
ある日突然に加害者家族となった、
中学生の混乱、慟哭、再生の物語。

父がなぜ家族に会おうとしないのか
最終盤に明らかになる事で主人公が
再生の道を歩み出す感涙必至の山場。

作者いとうみくさんの児童文学には
いくつも触れたことがあるのですが
これ程に厳しく優しい作品は初です。

No.426 7点 星のように離れて雨のように散った- 島本理生 2026/01/05 16:42
結局、自分の認知が成されていく課程
捉え直しがミステリーの基本原理だと。

主人公春の、父親のこと、叔母のこと
そして春自身のことが、解決していく
その中、対役の亜紀くんのこともまた
同時に見えてくる構図が、素晴らしい。
約220頁でこんなに気づき変容する
物語の力、作者の力ですね。凄い!!

No.425 7点 不夜城- 馳星周 2026/01/04 18:32
おせち料理に食傷気味な頃には
七草粥を食べる古き日本の様。
正統派やY.Aの清々しさの後に
悪漢小説やアンチヒーロー等を
欲する読書ということでしょう。

物語後半で主人公と対役が、其々
自分以外(自分すらも)信じない
その心が交差して一瞬であっても
信じたいと思うその心情のゆれが
感じられました。しかしそれを、
結局安全な処で感じる読者という
だけのこと。品のない覗き見趣味
だなと自身が思うそこには、脇役
元警察官の前科者が、夜の公園で
覗き見するくだりと被りますね。

三部作だから怖いもの見たさで、
次も読むのかなと思っています。

No.424 7点 スパイクス ランナー- あさのあつこ 2026/01/02 17:04
碧李と貢、二人の高校生ランナーの物語。
碧李が走るのをやめて、戻ってきた理由。
貢が名門校をやめ、別の高校で走る理由。

本書では明かされませんが、きっと他書で
明かされるはずです。私にはまだミステリ。
あさのあつこさんが描くスポーツの世界が
何時も鮮やかなので本書も感情移入して、
5000メートルを走り切るかのように、
一気に読みました。200頁の中編作品です。

No.423 8点 名探偵たちがさよならを告げても - 藤つかさ 2026/01/01 11:44
新年明けましておめでとうございます。
大晦日から年をまたいで読了しました。
ミステリの可能性を再認識させて頂き、
思う処の大きいY.A分類の作品でした。

「名探偵とは物語の役割であり、読者
であり、作者だ。普通の小説より多く
の人の血が通ってる、それがミステリー
なんだよ。」
「名探偵たちは、いつだって一つの結末
を見届けるだけだ。見届けて、見捨てて、
また次の事件を探し求める。そこに結末
はない。黙って文字を追う彼らの平べっ
たい視線が、冷たい机に刺さったような
気がした。」

ここで指す名探偵を自分と捉えたら、
こんなにも刺さる言葉は他にないです。

「それは、年を重ねるという事をどう
認識するかの問題なのだ。九曜は多分
年を経ることを蓄積だと考えている。
知識、経験、技術、全てが年を重ねる
と熟練されていく。
しかし、実はそうではないのだという
ことに、玲人はこの数日で気が付いて
いた。年を重ねることは摩耗なのだ。
いろいろなものが削られて、削がれて
消滅していく。」

単に刺さる言葉としてだけでなく、
作品世界の反転に寄与する言葉が、
これがY.Aコーナーにあるのです。
この現実を受け止めて今年を過ごす
所存でございます。出会いに感謝。

No.422 7点 八日目の蝉- 角田光代 2025/12/30 08:39
各々に課せらた、どう仕様もない
人生の荒波を如何に受け止めるか。
再生がテーマの世代を越えた物語。

一章が親視点、二章が子ども視点。
それぞれの視点が最後に交じる様に
読者はどちらかに共感して、そして
読者もまた再生の希望を追体験する
そういう解釈を持ちました。題名の
『八日目の蝉』は、一人きりで誰も
見られない世界を見るという象徴。
一見不安、しかし受け止める覚悟を
得た時に意味合いが変わるそういう
反転の題名でした。深い味わいです。

No.421 6点 葉桜の季節に君を想うということ- 歌野晶午 2025/12/28 11:35
十数年ぶりに再読。叙述トリックと分かって読むと
どのような感想をもつか試してみました。もちろん
初読のインパクトはありませんが、世間や私の中に
〇〇に対するバイアスがあると顕在化します。終盤
「桜も紅葉することを誰も知らないし見やしない。」
此処に登場人物の反骨精神を微笑ましく感じました。

No.420 6点 キングを探せ- 法月綸太郎 2025/12/22 20:11
何方かと同じ感想になってしまいますが、
中盤までの交換殺人の仕組みは面白いのに
最後の混ぜ返しをぶち込んだところが残念
深みにならず複雑さのみ残すという感じ。
そもそも、探偵が解決するために残された
トランプが、よく考えると違和感強めで、
そんな事を言ったら設定から破綻ですが、
ユーモア軽妙、ページ少なく好ましい分、
結論、最後の混ぜ返しが肌に合わなかった。

No.419 7点 うまいダッツ- 坂木司 2025/12/21 10:24
高校生おかし部の面々が織りなす、
お菓子がキーアイテムのミステリー

インスタのお菓子当てライブに纏る
3話目が特にそうですが、何気ない
顛末の中にさり気なくおっさん思考
に対するアンチテーゼ入れていて、
身につまされる話に作者のユーモア
また慧眼を感じます。結論として、
Y.Aを侮るなかれということです。

No.418 9点 ののはな通信- 三浦しをん 2025/12/14 18:34
女性の描く、女性の恋愛小説。
と思っていた概念を、それこそ
幾重にも壊して進む昭和〜平成
そして東日本大震災までの物語。
単なる物語ではなく往復書簡で
綴られる2人の25年間の歴史。
三浦しをんさんは、何故これ程
2人の主人公を書き分けられ、
また読者自身が3人目の主人公
の舞台に上がらざるを得ない様
書けるのだろうと衝撃的でした。

カトリック系の学校の様子から
ゾンダ共和国の情勢に至るまで
全てが当事者の視点で迫ります。
最終盤、車内で聞くエピソード、
テーマ「誇り」が胸に迫ります。

No.417 7点 クリスマスに少女は還る- キャロル・オコンネル 2025/12/14 13:07
尊敬する辻村深月さんが、アンケートに
答えた中で、このような作品を書けたら
作家人生を終えてもいい、とありました。

だから図書館の保存庫から出して頂いて
読みました。文庫本600頁超えの作品。

前半の登場人物紹介のエピソードが秀逸。
後半の謎解きはまあまあ。特に心に残る
エピローグの重み。決して単なる聖夜の
救いはなく、しかし題名にある還るもの
それが分かると、静かな重みを感じます。

No.416 6点 Another side of 辻村深月- 辻村深月 2025/12/06 19:23
辻村深月ファンとしては必読書。
全作品の本人による解説が素敵。
対談は大山のぶ代も登場します。
多くのミステリー作家と作品の、
執筆をめぐる興味深い話がよい。
アンソロジー他に登録すべき処、
国内になってしまいました失礼。

No.415 8点 白い衝動- 呉勝浩 2025/12/03 18:54
呉勝浩作では爆弾≪本作の評価。
エンタメ色薄め、社会派色強め。

臨床心理学、精神分析学から、
殺人の社会的捉え、その他諸々
綺麗事を一枚ずつ剥いでいくと
私達の認知の偏りや癖が如実に
表れてくる、その様が圧巻の作。
ミステリーは手段。描く手段で、
後半のフーダニットや、最後の
一行は大きなテーマのおまけ。
それでもこの作品に出会って、
よかったなあと満足しています。

No.414 4点 超短編!大どんでん返し- アンソロジー(出版社編) 2025/11/30 14:17
一人原稿用紙5枚×30人の作品。
1時間程度で読み終わり、徒労感。
作家図鑑としての価値の方が高い。

内容はかなり薄く改めて思うのが
ショートショートといえば星新一。
星新一は大々作家ということです。

No.413 8点 クライマーズ・ハイ- 横山秀夫 2025/11/30 11:59
日航機墜落事故を巡る、地方新聞社の有り様を、
情報屋の矜持と家族関係を絡め葛藤の中で描く。

どの分野でも悩むであろう、仕事の向き合い方、
そして、特に親子関係での向き合い方が泥臭く、
反面山の描写が鮮やかに描かれ素晴らしい対比。

作者が実際に、北関東の新聞社勤めだった事で、
理想と政治の葛藤等のアンバランスさがリアル。

後半、父に訪れる許しの様な場面は、落涙必至。

筆力の高さ際立つ作者の例に漏れない作品です。

No.412 7点 絶叫- 葉真中顕 2025/11/24 14:04
まず、ネタバレしないように触れますが、
最終盤のWhoのあたりは、さすがですが、
トリック自体は過去にも見られるもので
宮部作品でも似たものがあります。だが
本作は葉真中顕の作品故に社会派色増量。
保険レディの実態があまりに苛烈で痛い。
やはり人間生い立ちや出会う人は大切だ…

悪の巣窟がある土地、鹿骨を正しく読める
貴方はきっと東京城東地区に馴染がある!?

3時間で500ページを一気読みできる位の
リーダビリティあり、しかし内容救い無し。

No.411 6点 模倣の殺意- 中町信 2025/11/23 15:44
50年も前に書かれた叙述トリック作品。
叙述トリックといえば中町氏的な位置。
何度か改編されていて、今耐えうる様に
アレンジされているということですが、
確かにカットバックのアレンジとして、
改編は正解ですかね。しかし登場人物の
坂井正夫の扱いが、、、鮎川氏にはそこを
評価されていますが、私にはイマイチ。

他殺意シリーズを読むか否か迷い中です。

No.410 7点 ずっとあなたが好きでした- 歌野晶午 2025/11/23 11:49
さすがのまとめ方上手、歌野晶午。
13の短編集だが12作目で纏め上げ
ずっと誰かを好きなまま読了です。

個人的に10作目の『舞姫』が好き。
ビルバリンジャーの『赤毛〜』風。

『幻の女』はアイリッシュのまま。
全ての作品が恋愛もの風を装って、
叙述に凝っていたり工夫があります。

600ページをスイスイ読める手軽さ。
お二人書評されていましたが、男の
しょうもなさが軽く描かれています。

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take5さん
ひとこと
古今東西ミステリーは沢山ありますが、
すばらしい古典に出会った時、
人間が描かれている作品に出会った時に、
ああ読んでよかったと思います。
そういう作品に一つでも出会えればと、
このページを覗...
好きな作家
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採点傾向
平均点: 6.62点   採点数: 449件
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