皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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ムラさん |
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平均点: 4.28点 | 書評数: 296件 |
No.7 | 4点 | ラヴクラフト全集 (7)- H・P・ラヴクラフト | 2013/01/25 19:13 |
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これにて終了。
一番残念なのはこの作品の中でも特に面白そうだった断片が未完だったこと。末裔と本はヨグとネクロノミコンの事を言ってると思うので、銀の鍵の扉を越えてで完結してる気がするけど、アザトホースはドリームランドの保管として続きを読みたかった。 サルナス、イラノンはダンセイニ風の神話ファンタジーで結構楽しめた。木なんかもセオリーどうりの話だが、文体が好みだったので楽しめた。しかしこの巻を見ると、ラヴクラフトがギリシア神話大好きなのがわかる。ノーデンスとギリシア神話の神々がコラボしたのには笑ってしまった。 ファラオとともに幽閉されては、訳者の解説見た感じ仕方ないとはいえさすがに説明が多すぎないだろうか。 とはいえこれでおしまいと思うとさびしくもある。まぁ別冊あるのだけれども |
No.6 | 5点 | ラヴクラフト全集 (5)- H・P・ラヴクラフト | 2013/01/09 20:31 |
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比較的、他の全集に比べて合う奴が多かった今回。
解説を見ると凡庸な作品との評価を受けた「死体蘇生者」はだからこそなのか、ラヴクラフト作品の中でもトップクラスに読者を想定した感じに書いてあってかなり楽しめた。研究に没頭する様とか疫病が流行った感じなんかがわかりやすくてよかった。 ただ、本作で一番楽しめたのは「魔女の家の夢」である。さほど横道にそれずに徐々に未知の恐怖が主人公を浸食していく様がありありと浮かんで楽しめた。それと同じタイプで「神殿」なんかも深海に潜む恐怖に包まれる船員たちの心情が面白かった。 「ダニッチの怪」の見えざる怪物にやられていく様はこれらとは逆に直接恐怖に貶める感じだったかな。この作品は魔女の家の夢の次に怖い作品だったかも。 「レッド・フックの怪」はラブクラフトにしては珍しく、ヘカテーとかヒュドラとかリリスとかセフィロトとかユダヤ教&ギリシア神話に関する事柄がド直球に出てきてた。それまでもダゴンとかいたけど、これはラヴクラフト風味にアレンジされていたのに対し、この作品はそのまんま持ってきたような感じだった。千なる貌をもてる月霊もナイアルラトホテップのことかと思ってたらどうも、ヒュドラのこと言ってるらしいし。 余談。 「死体蘇生者」にて、ある黒人の顔を『名状しがたいコンゴの秘密と不気味な月の下でひびくタムタムと言ったもの』と例えているが、タムタムのような顔ってどんなのだろう。 |
No.5 | 7点 | ラヴクラフト全集 (6)- H・P・ラヴクラフト | 2012/12/30 20:52 |
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怪奇小説なのでジャンルをホラーにしたけど、本当はSF・ファンタジーにしたいくらい本作はそっちの色が濃かった。特に未知なるカダスに夢を求めてはラヴクラフト作品の総結集という風に感じた。正直、他の作品はポウのようなホラーの枠を出ていなかったが、この作品集で一気に気色が変わった印象。
解説見てランドルフ・カーター連作は冒険小説の気色が強い感じなのでそっちに入れることにしました。 銀の鍵の門を越えてのカーターとヨグ=ソトースの関係をみると他の作品の主人公もカーターが夢見ていた登場人物ということになるのかな? ラヴクラフト作品をこれから見るって人がいるならこの作品集のランドルフー・カーター連作の中でも<銀の鍵の門を越えて>と<未知なるカダスに夢を求めて>を特にオススメしたいです。前者はラヴクラフトのSFホラーの総決算、後者はラヴクラフト世界の総決算というイメージを抱けたので。(まぁ、ホラーじゃなくて完全に冒険譚なんだけど) 余談 銀の鍵の門を越えてだけ外なる実体というかヨグが明らかに神聖な者として描かれてるのはホフマンのアイディアを取り入れたからなのか、単に元々そういうつもりなのだろうかどっちなのだろう。それくらい、五巻のダニッチの怪でのヨグの扱いと本作の扱いが違う気がする。というかこの話は他のホラーに描いてる話と違ってけっこう異質に思えた |
No.4 | 4点 | ラヴクラフト全集 (4)- H・P・ラヴクラフト | 2012/11/28 18:22 |
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解説にもあるが、本作は狂気の山脈にての中でラヴクラフト作品にちょくちょく顔を見せる<旧支配者>についての歴史が濃厚に書かれている。
だからというわけじゃないけど、<旧支配者>達の神殿の情景[この描写がちと長かったが]やシュゴスに恐怖する主人公たちが鮮明に書かれていて面白かった。 本作は科学的な一面を強くだした短編集とあるように宇宙からの色や眠りの壁の彼方はSF的なホラーになっている(というよりもこれはラヴクラフト全般に言えることなのかな) 冷気とピックマンのモデルは典型的なホラーという感じ(解説ではポオの影響そのまんま出てるとも) どうでもいいが、最後の解説にあるピックマンのモデルの絵がファンタジーに出てきそうな感じでちと可愛かった |
No.3 | 4点 | ラヴクラフト全集 (3)- H・P・ラヴクラフト | 2012/10/25 03:19 |
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一巻の闇に囁くでも思ったが、ラヴクラフトは主人公が狂った友達あるいは知り合いの経過を眺める話のが心理描写の比率が多くて面白い。というわけで三巻で一番よかったのは戸口にあらわれるものである。アウトサイダーは驚異的な読みづらさ以外はセオリー的なホラーだったかな。家の中の絵も比較的ホラーのほうに比率が傾いていた気がする。普段、自分は解説などは読まないで次の本を読み始めちゃうのだが、この翻訳者の解説は作品に理解の補強に役立つので見ていて損はないと感じた |
No.2 | 2点 | ラヴクラフト全集 (2)- H・P・ラヴクラフト | 2012/10/25 03:15 |
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この作品の中では「エーリッヒ・ツァンの音楽」が一番まとまってて面白かった。クトゥルフの呼び声も面白かったけど。 チャールズ・ウィードの奇妙な事件は流れとしては最後医者が覚醒したりでよかったんだけど、全体的にるるぶな感じが続いたせいで、連続して読むとこっちまで気を失いそうになった(主に眠気が襲ってきて) |
No.1 | 3点 | ラヴクラフト全集 (1) - H・P・ラヴクラフト | 2012/10/25 02:51 |
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翻訳本の中ではけっこう読みやすい方だとは思った。特に闇に囁くものは手紙の部分と相まって、すらすらと読めた。だからというわけでもないけど、個人的にお気に入りになのは闇に囁くもの。オチの読み方と、ヘンリーの手紙がどんどん恐怖に煽られていく感じがなかなかそそられる。インマウスの影はるるぶっぽかった個人的に。壁の中は鼠は「エターナルダークネス」彷彿とさせて楽しめた。(というかあっちがこれをリスペクトしてるんだから似てて当然だけど)でもなんだかんだで、一番この本の中で読めたのはギャグホラー風味の死体安置所にてかも。 |