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虫暮部さん
平均点: 6.22点 書評数: 1843件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.9 3点 キウイγは時計仕掛け- 森博嗣 2013/12/05 10:58
えー、なにこれ。
 思わせぶりな伏線はどれもうやむや。足の指で引き金を押して他殺に偽装、といったって裸足のせいでばれてるんじゃ偽装になっていない。そもそもそれがどうして息子をかばうことになるのか。キウイ云々て結局なに。
 あと、他作品にも同様の例があるけれど、森博嗣は親から子への情を無条件に強く捉えすぎでは。
 総合的にはキャラクター同窓会というお楽しみ企画以上の何物でもない。
 作者はともかく(森博嗣はミステリの外側から来た、という感じだから)、編集者がなぜこの作品にOKを出したのか不思議だ。

No.8 4点 神様が殺してくれる- 森博嗣 2013/10/07 12:49
事件の様相はそれなりに興味深かったが、真相、つまりは犯人の行動理由が全く腑に落ちない。或る登場人物に“異常な行動、不思議な行動なんて、犯罪現場にはいくらでもある”という台詞があって、、それはそうかもしれないけれど、ミステリ小説の体裁を持っている以上、それでなんでもアリではいけないだろう。 失敗作だと思うな。

No.7 6点 今はもうない- 森博嗣 2013/09/19 22:11
 そもそもあてずっぽう3回で名前を当てるなんて無理なのであって、そんな賭けを自ら提案するのは、勝算がある、つまり実は名前を知っていながらしらばっくれているのである。
 ということに、聡明な西之園嬢が思い至らないとは考えられない(というか誰だってそう疑うだろ)。
 相手のイカサマを踏まえて勝負を受けたのなら、その時点でプロポーズにイエスと答えたのと同義である。
 と思って読み返したのだけれど、彼女けっこう素で反応していますね。これは作者のミスでは。それともあからさまな不正をどういう論理で納得させるのか楽しみ、という意味か?
 

No.6 7点 夏のレプリカ- 森博嗣 2012/12/10 07:37
 “チェスに負けたから気が付いた”というところ印象的だった。全く論理的ではないけれど説得力がある。こういうフレーズがポロッと出て来るのが森博嗣の面白さだと思う。

No.5 8点 ジグβは神ですか- 森博嗣 2012/11/14 19:10
 すっきりしない終わりではあるが、これをこう感じるということは逆にミステリにお約束ばかり求めてしまう自分の裏返しなのかとも思う。ミステリは決して思考停止に至るだけのシステムではない筈。ただ問題は作者にこのシリーズを完結させる気があるのか、完結まで作者が小説を書きつづけるモティヴェーションは持続するのか、ということである。
 ところで真賀田四季は、例えば『悪の教典』(貴志祐介)の蓮実聖司などと比べてまさに天才!という感じのキャラクターで、やっぱこうでなくては。

No.4 7点 幻惑の死と使途- 森博嗣 2012/10/25 12:55
 面白かったが、ネタバレ付きで指摘しなければならないことがある。
 “遺体消失事件”の時の、“霊柩車に棺が載ったあとでエンジンがかかった”という手がかりは、犯人にも事前に読めた筈なのに、何の対応もしていないのはおかしい。
 逆に言えば、それが無くても謎は解けるのだから、メタ的に見れば、このわざとらしい犯人の小ミスは作品にとって不要というか邪魔なエピソードではないか。
 

No.3 5点 まどろみ消去- 森博嗣 2012/04/25 16:27
 「キシマ先生の静かな生活」は面白いのに後味が悪い。なんだろうこれ。

No.2 9点 封印再度- 森博嗣 2012/04/18 16:24
 森博嗣作品の中ではベスト3級に好き。
 再読して気付いたこと。
 1.「瓢」と「匣」の謎に関しては、出題された段階でかなりきわどいヒントが添えられていたのだなあ(ノベルス版79ページ。浜中のメールから更に考えを進めれば、具体的な知識は無くとも、そういう金属を想定することは可能)。“特定の角度で傾ければ出し入れが出来る”といった類のものなら形状をイラストで示す必要があり、それがないことがメタ的な手掛かりとも言える。アンフェアだとは思わない。
 2.小ネタのひとつが京極夏彦作品でも(メインのネタとして)使われている。
 3.犯人たちの動機が高尚過ぎるというきらいがなくもないが、それを探偵役である犀川のキャラクターがアリにしている構造が面白い。というか“探偵が犯人の最大の理解者”というのは本格ミステリとしては寧ろ古典的か?
 4.ノベルス初版には「鰻」に「なまず」という驚きの誤ったルビが振られている。もう修正されているよね?(未確認)

No.1 6点 詩的私的ジャック- 森博嗣 2011/09/14 16:27
 作中の歌詞と殺人事件が類似している、というのはあまりに恣意的すぎると思う。この程度で疑われるならヴィジュアル系やへヴィメタルのバンドマンはみんな容疑者である。
 動機も筋が通っていないように思う。“人を殺した相手をそのまま愛せるような人じゃない”からといって“綺麗にするため”に自分が人を殺すというのは首尾一貫していないだろう。それなら自分自身もリセットしなければならない。人殺しそのものではなくて、露見するか否かを問題にしているようで、それは作中で代弁されたような“汚れたものが嫌いで、純粋で、高尚で”という精神性とは思えない。むしろ、親しい者の犯行が露見することによって自分がさほど純粋でも高尚でもないということに直面するのに耐えられずに全て無かったことにしたかった、のではないかという気がする。

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虫暮部さん
ひとこと
好きな作家
泡坂妻夫、山田正紀、西尾維新
採点傾向
平均点: 6.22点   採点数: 1843件
採点の多い作家(TOP10)
山田正紀(99)
西尾維新(72)
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