皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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E-BANKERさん |
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平均点: 6.01点 | 書評数: 1809件 |
No.3 | 7点 | 札幌着23時25分- 西村京太郎 | 2009/08/27 23:04 |
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お馴染み十津川警部シリーズ。
トラベルミステリーにサスペンス要素をふんだんに加えた意欲作。 ~十津川警部は、暴力団組長の殺人罪を立証する重要な証人を札幌地裁まで護送することになった。タイムリミットは深夜0時。組員たちは、悪徳弁護士・佐伯の指示に従い、証人の暗殺を狙う。折からの航空会社ストライキのため、東京から札幌まで乗り継ぎが必要になる。東北新幹線、在来線、車、チャーター機・・・追われる側となった十津川警部と佐伯の虚虚実実の攻防が始まる~ 個人的には氏のいわゆる「トラベルミステリー」では一番面白い作品だという評価。 時代的には、まだ東北新幹線が大宮~盛岡間だったころ。航空機なしで東京~札幌までちょうど1日かかっていた時代です。 いつもは犯人を追い詰める側の十津川・亀井コンビが、一転、今回は暴力団グループに追われる側として追い詰められていきます。 十津川と佐伯との知恵の攻防もなかなか面白い。 札幌までの中途で何度も攻防が繰り広げられ、紙一重で困難をかわしていく・・・何ともスリリング! まっ、いろいろと突っ込みたいところはあるのですが、まずは楽しめる作品だと思いますね。 (警視庁の組織力ってそんなもんなのか?というツッコミが聞こえてきそう・・・) |
No.2 | 7点 | 華麗なる誘拐- 西村京太郎 | 2009/08/20 22:51 |
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私立探偵左門字シリーズ。
本シリーズは「誘拐もの」のバリエーションが豊富ですが、本作も大胆不敵なプロットが特徴。 ~「日本国民全員を誘拐した。身代金5,000億円を支払え」・・・首相官邸に入った1本の電話。『蒼き獅子たち』と名乗った男は、3日後に人質を殺すと通告した。果たして、新宿の喫茶店で若い男女が死亡した。死因はシュガーポットに混入された青酸カリによる中毒死。偶然現場に居合わせた私立探偵・左門字進と妻の史子は、捜査へ協力することに。だが、警察をあざ笑うかのように北海道で男が殺され、ついには航空機爆破事件まで起きてしまう! 犯人の狙いとは何なのか?~ やっぱり、初期の作品はよくできてます。何よりプロットが素晴らしい。 こんなプロットは最初にやったもん勝ちで、2度と同じものは使えないですからねぇー 途中、犯人グループと左門字の知恵比べ的な展開もかなり面白い。 大胆不敵な犯行に打つ手なしと思われた矢先、左門字の冷静沈着な推理が冴え渡る・・・結構シビレます。 中盤以降はスピーディーな展開で、飽きることなくラストまで一気呵成! 十分に楽しめる作品でしょう。 (姉妹編に短編ですが、「1千万人誘拐計画」という作品もあります。こちらは東京都民全員が誘拐されちゃいます。) |
No.1 | 7点 | 盗まれた都市- 西村京太郎 | 2009/07/30 22:32 |
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私立探偵、左門字進シリーズ。
日米ハーフの名探偵左門字が活躍するシリーズは、作者初期の野心溢れる良質な作品が並んでいます。 人口10万人のある地方都市が、ある日を境に突如「反東京」という狂気に支配されてしまう。その謎を解明すべく乗り込んだ左門字夫妻は、たちまち狂気に巻き込まれ、あげくの果てには殺人事件の容疑者にされてしまう。さて、この「狂気」の正体は何か? というのが本作の粗筋。 何はともあれ、この「プロット」自体がたいへんによくできており、面白い。 左門字もこの理不尽な狂気に巻き込まれるわけですが、それに対して冷静にかつ鋭い観察&推理力で対抗する姿に何ともいえない魅力を感じてしまいます。 真相は、意外といえば意外で、想定内といえば想定内(どっちだ?)。 現実的に考えて、マスコミはともかく市民感情をここまでコントロールできるのか? という疑問は湧くのですが、ナチズムの例を出すまでもなく、人間とは「より声の大きい方」へ流されてしまう特徴があるのでしょうし、特に日本人はその危険性がより大きいような気はします。 まぁ、昨今溢れてる作者のトラベルミステリーとは一味も二味も違う作品ですし、一読に値すると言ってよいでしょう。 (マスコミの功罪って大きいですよねぇ・・・本作を読んで、まず感じるのはこのこと。マスコミの良心ってなんなんでしょうか?) |