海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

nukkamさん
平均点: 5.44点 書評数: 2813件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.4 5点 ミントの香りは危険がいっぱい- ローラ・チャイルズ 2014/09/09 11:30
(ネタバレなしです) 2011年発表のシリーズ第11作の本書は500ページ近くあってこのシリーズとしては大作の部類ですが、他のシリーズ作品と比べても別に読みにくさを感じさせないスムーズな語り口には感心します。謎解きとしては前作の「ウーロンと仮面舞踏会の夜」(2009年)と同じく、そこそこ意外性を意識した結末が待っているのですが謎解き伏線が十分でないので、これならいくらだって意外な結末を用意できるだろうと不満が増えてしまうような気もします(もちろん平凡な結末に終わるよりはいいのですけど)。

No.3 4点 アール・グレイと消えた首飾り- ローラ・チャイルズ 2014/04/29 17:52
(ネタバレなしです) 2003年発表の「お茶と探偵」シリーズ第3作は謎解きに関してはシリーズ作品中でも異色のプロットです。殺人事件は発生しますが実質的には怪盗探しなのです。殺人の場合なら一応は動機のありそうな容疑者に的を絞って捜査することに不自然さを感じないのですが今回の場合はそれさえなしの行き当たりばったりの捜査に無理があり、誰が犯人でもどうでもいいように感じてしまいました。文章のセンスのよさは相変わらずでコーヒー派の私でもこのシリーズを読むと紅茶に浮気したくなります。アール・グレイ(紅茶ではなくセオドシアの飼い犬の名前です)が介護犬と番犬の両面で大活躍(スーパー過ぎ!)しているのもなかなか見ものです。

No.2 5点 オーガニック・ティーと黒ひげの杯- ローラ・チャイルズ 2014/02/16 12:02
(ネタバレなしです) たいした推理もなく行き当たりばったりで解決してしまうことの多い「お茶と探偵」シリーズですが、2011年発表のシリーズ第12作の本書に至ってはセオドシアが唐突に犯人の名前が頭に浮かび上がり(その前には違う容疑者を散々疑っていますけど)、ティドウェル刑事の制止も聞かずに犯人を追い掛け回します。この追跡劇は結構面白いのですが、結局犯人がわかった理由は説明されずに終わってしまいました。もしかするとどこかに謎解き伏線があったのかもしれませんが、凡庸な読者の私には判らないままですっきりできませんでした。説明責任を果たしてほしい(願)。

No.1 5点 ダージリンは死を招く- ローラ・チャイルズ 2011/05/06 07:36
(ネタバレなしです) 米国の女性作家ローラ・チャイルズが2001年に発表したミステリー第1作です。冒頭に置かれた作者の献辞文を読むと、心理サスペンスの巨匠メアリ・ヒギンズ・クラークを尊敬しているようですが本書はサスペンス小説ではなく、コージー派ミステリーです。ティーショップを経営するセオドシアが探偵役ですが推理要素は少なく、場当たり的に解決してしまうので本格派推理小説の謎解きを期待するとがっかりするかもしれませんが、叙情的と言ってもいいほど繊細で色彩的な文章は大変魅力的で、まさに紅茶を飲みながら読むのには最適の一冊かと思います。

キーワードから探す
nukkamさん
ひとこと
ミステリーを読むようになったのは1970年代後半から。読むのはほとんど本格派一筋で、アガサ・クリスティーとジョン・ディクスン・カーは今でも別格の存在です。
好きな作家
アガサ・クリスティー、ジョン・ディクスン・カー、E・S・ガードナー
採点傾向
平均点: 5.44点   採点数: 2813件
採点の多い作家(TOP10)
E・S・ガードナー(80)
アガサ・クリスティー(57)
ジョン・ディクスン・カー(44)
エラリイ・クイーン(42)
F・W・クロフツ(31)
A・A・フェア(28)
レックス・スタウト(26)
カーター・ディクスン(24)
ローラ・チャイルズ(24)
横溝正史(23)