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[ 警察小説 ] アンフェアな月 刑事 雪平夏見 |
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秦建日子 | 出版月: 2006年09月 | 平均: 3.00点 | 書評数: 1件 |
河出書房新社 2006年09月 |
河出書房新社 2008年05月 |
No.1 | 3点 | 臣 | 2015/11/04 10:26 |
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生後3ヶ月の乳児誘拐事件が発生。犯人は見合った額を出せという。いちおう営利誘拐といえるのだろうが、イラストレーターとして働く母親との二人暮らしで、金に余裕があるわけではないのに、犯人はなぜ誘拐したのか。
この謎の提起の仕方はなかなかうまい。 数年前、「推理小説」を読み終えたとき、怖い物見たさに、同じ著者の作品をあと1冊だけ読もうと決意しました。そんな決意がなくても、喉元すぎれば熱さを忘れて、いずれ読んでいたとは思いますが(笑)。 じつは最近、同シリーズの映像版を鑑賞しました。つまらんはずなのに、このドラマ、意外に秀作かもと思ったことが、今回の読書のきっかけです。でもそのドラマは、秦氏ではない、他の脚本家の作品でした。やっぱりねw 真相はありがちな面と、予想外という面があり、全体としての評価は微妙。まあ並みのレベルか? ただ、空白行を多く挟んだり、黒いページで白抜き文を入れたり、無言の会話文を連続させたりで、視覚的なテクニックが多すぎる。それによってサスペンスを際立たせているのか。いや、シンプルなプロットを複雑に見せようとしているだけでしょう。 商業的に成功した作品ですが、個人的な嗜好には、やはり合いませんでした。 |