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[ 警察小説 ] 聖域捜査 生活安全特捜隊シリーズ |
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安東能明 | 出版月: 2010年12月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
集英社 2010年12月 |
No.1 | 6点 | 臣 | 2015/04/15 13:22 |
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警視庁生活安全部の「生活安全特捜隊」による捜査を描いた警察モノ、連作短編集。
主人公の結城は40歳の警部で、それまでは地域課や少年課の制服警官だったが、念願かなって刑事として捜査ができるようになった。ただし生活安全部なので扱う事件は小ぶりなものばかり。 一風変わった警察モノだが、今野敏氏や横山秀夫氏なら書きそうな設定でもある。 どの短編も、些細な事件ばかりを扱ってあるが、いろいろな糸口から思わぬ方向へ発展していく。その変化が面白いところだが仰天のオチはない。 悪く言えば、複数の事象が収束しきらなかったともいえるが、作者からすれば、プロットの妙を楽しんでくれということなのだろう。たしかに先を急ぐようにわくわくしながら読むことができた。 第2編の「芥の家」はその典型だ。ご近所のごみ屋敷の話だが、長編小説のように、いろいろと発展を見せ、謎だらけになる。でも結局、淡白なラストを迎える。 その他「3年8組女子」「散骨」「晩夏の果実」「贋幣」の計5編。けっこう多様だ。 短編のわりにラストが冴えないものもあるが、話を飽きさせずに変化を持たせて進めていく展開は見事です。 捜査の主体は結城を中心とした班員12名。結城のほかには年配部下の石井と若手の小西がおもに活躍する。結城は捜査経験は浅いがリーダーシップを発揮し、石井は年季のはいった捜査員らしく動き回り結城を支え、小西は石井に怒鳴られながら呑気にピエロ役を演じ、たまに捜査の進展に合わせて俳句を詠む。 アンソロジー「現場に臨め」で初めて読んだ作家さんですが、そのときの印象がよかったので、何冊か積読していました。警察小説の書き手は多くあまり目立っていませんが、個人的には注目中です。 |