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[ 本格 ]
魔人
金来成 出版月: 2014年07月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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論創社
2014年07月

No.1 6点 2019/08/19 22:49
韓国ミステリの祖と言われる金来成(キム・ネソン)が1939年に新聞に連載し、すぐ単行本で出版されてベスト・セラーになった作品。執筆時期にもかかわらず、内容的には日本の影は全く感じられません。
論創社邦訳の帯には「江戸川乱歩の世界を彷彿とさせる怪奇と浪漫」とされていて、確かに展開には乱歩並みに通俗的に派手なところはあるものの、『蜘蛛男』等に比べると、全体的な事件構図ははるかに論理的にできています。ただトリックの独創性はなく、最初の仮面舞踏会での事件については、アメリカの某有名作を連想する人は多いでしょう。まあ作者自身それは承知の上で、探偵役にその作家名だけは言わせています。そのシーンで真相の大部分は解明されたかに思えるのですが、さらにひねりを加えて盛りだくさんな作品に仕上げています。
ところで名探偵の劉不亂(ユブラン)、1か所(第26章)、ルビを「ルブラン」と誤植したところがあります。


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金来成
2014年07月
魔人
平均:6.00 / 書評数:1