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[ SF/ファンタジー ] セイギのチカラ セイギのチカラシリーズ |
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上村佑 | 出版月: 2009年06月 | 平均: 8.00点 | 書評数: 1件 |
宝島社 2009年06月 |
宝島社 2010年12月 |
No.1 | 8点 | メルカトル | 2014/06/23 22:38 |
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5人の異能者の男たちと一人の美女が正義のために活躍するサイキック・アクション。
ネットカフェで少女がバラバラ死体となって発見された。その事件を追う刑事は「赤い月連続殺人」との関連を疑い始める。一方、「異能者の館」というサイトのオフ会に集まった異能者たちは、それぞれの能力を語り、その場は解散するが、のちに参加者で唯一の女性がある事件に巻き込まれる。さらには、その女性の心療内科の担当医とその異母兄弟と名乗る男が細菌によるテロを実行しようとしていた。 5人の異能者の男たちと1人の女性、「赤い月連続殺人」を捜査する刑事、たった二人で大規模なテロをおこなおうとしている兄弟が三つ巴となり、ストーリーは足早に展開していく。圧倒的なスピード感と映像的なシーンの連続に酔いしれること間違いない。 異能者の超能力はいずれもしょぼいものばかりで、それらを披露するオフ会は大爆笑もの、これだけ笑える小説は初めてであった。だが最後にはその能力を増幅し、何千人というやくざや無数のカラスたちの力も借りて、テロを阻止しようとする彼らの姿には知らず涙をこらえきれぬほど感動してしまった。 ラストシーンも心温まるもので、後味も素晴らしく良い。滅多に読み返さない私が、ついクライマックスから最後まで2回ほど読み直してしまったほどである。 無名の小説なのでどうかとも思うが、これは是非とも映画化していただきたいものである。幾分映像化を意識しているような場面もあるが、それはご愛嬌ということで、あまり責めないでほしいと思う。まあ、細かい部分でツッコミどころもあるだろうが、それ程の瑕にはなっていない。というわけで、一読の価値は十分あると私は断言したい。 |