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[ ハードボイルド ] ハードボイルド・エッグ 最上俊平シリーズ |
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荻原浩 | 出版月: 1999年10月 | 平均: 6.25点 | 書評数: 4件 |
双葉社 1999年10月 |
双葉社 2002年10月 |
双葉社 2015年01月 |
No.4 | 7点 | 臣 | 2015/06/17 09:53 |
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最上俊平はマーロウに憧れ、マーロウを気取った冴えない私立探偵。主たる仕事はペット探しで、今回もそれから始まる。
ペットの飼育放棄やブリーディングの問題など、ペットに関する社会問題も盛り込んである。というほど大げさなものではないが。 そんなペットの捜索が急展開し新たな局面へと発展する。 まず本作の売りは、笑いとサスペンス。 主人公はもちろんだが、彼を取り巻くキャラクターが負けてはいない。 80歳超の秘書・綾がそれ。彼女との珍妙なやりとりは強烈。 つぎがホームレスのゲンさん。主人公との組長宅への侵入シーンはケッサク。 この場面もそうだが、ゲンさん、綾との行動は、笑いとサスペンスに満ち溢れている。そしていたるところで俊平の度胸のなさが披露される。 本人はシニカルな言葉を吐くし、始終危ない目にもあい、マーロウとあまり変わらない気もするが、腰が引けてしまうことと、脇役たちのお笑い度に大きな差がある。 つぎにストーリー。 後半はかなり魅せてくれる。 ちゃんとした筋があるから、たんなるパスティーシュで片づけられない。ハラハラ感がたっぷりだからサスペンスともいえるし、ペットの問題がはらんでいるから社会派モノともいえる。ミスをしながらも最終的にはきちんと推理をするから立派な推理小説でもある。 涙も売りのようだが、比較的あっさりしていていい感じだ。ただ、最上が、『長いお別れ レイモンド・チャンドラー』を見つけたときの描写には、ぐっときた。 チャンドラーにぞっこんなのか。チャンドラーは作家受けする作家で、日本の作家には敬愛する人が多い。そういう人が茶化すから、ツボを押さえている。 日本のハードボイルドの場合、なかなか本場のようにはいかない。むしろ、本作のようにお笑いにしたほうが好感を持たれるし、多くの人にも読まれる。 |
No.3 | 5点 | itokin | 2010/04/15 17:26 |
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氏の作品が好きなので読んでみたが失敗作かな?
延々としたペット探しにはうんざり、又、ばあさんとのコンビは無理がある氏の持ち味のユーモアは十分感じられるが・・・。最後も少しひねり過ぎと思う。 |
No.2 | 5点 | bage | 2009/10/14 13:31 |
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泣けると言われて泣けた試しがない。泣かそうとしている感が少し見え見えな感がした。
個人的には、ハッとさせられるようなトリックに面白味を感じる性質なので、この点数。ハードボイルド入門にはいいのかもしれない。 |
No.1 | 8点 | 由良小三郎 | 2003/07/21 19:40 |
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「ハードボイルド・エッグ」
ハードボイルドの探偵を気取りながら、持ち込まれる依頼といえば行方不明のペットさがしばかりという探偵のところにお婆さんが秘書として押しかける前半は、前に読んだ樋口有介さんの「木野塚探偵事務所だ」みたいな話になるのかと思っていたら中盤から、ちゃんとハード・ボイルド(風)になって、最後はちゃんと泣かせる話でしめくくちゃうんです。 |