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[ ハードボイルド ]
カットグラス
改題『星が降る』
白川道 出版月: 1998年07月 平均: 9.00点 書評数: 1件

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文藝春秋
1998年07月

文藝春秋
2001年07月

新潮社
2005年01月

No.1 9点 Tetchy 2012/02/21 23:28
人生の酸いも甘いも経験した大人たちを書かせたら一級品の作者による初の短編集。

とにかく胸を打つ。主人公や登場人物たちはどれも40代以上。そう、もはや限られた未来しか残されていない人々だ。
人生も半ばまで来た男と女たちの何かを諦めた思いが行間から伝わるのが非常に心に染み渡る。全てが丸く収まることはなく、良しとなるにはお互いが何かしらの痛みを伴わなければならない。理想に描いていた未来とは違った人生だがそれでも一生懸命に明日を生きる。夢とか理想とかそんなものではなく、生きていくために現状に甘んじ、しがみつく。そんな人間たちの物語が本書には収められている。

若い頃に読んでいたならばこの作品の味はこれほどまでに深く心に染み込まなかっただろう。
昭和の香りがするといえばそれまでだが、読み終わった後、暗い部屋でアルコールを片手にじっと浸りたくなる、大人の小説集。その味は一級であることを保証しよう。


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白川道
2009年07月
最も遠い銀河
平均:5.00 / 書評数:1
2001年02月
天国への階段
平均:8.00 / 書評数:6
1998年08月
病葉流れて
平均:7.00 / 書評数:1
1998年07月
カットグラス
平均:9.00 / 書評数:1
1996年01月
海は涸いていた
平均:6.50 / 書評数:2
1994年09月
流星たちの宴
平均:5.00 / 書評数:1