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[ 本格/新本格 ] ケイゾク/小説 完全版 ノベライズ 市川亮 緒川薫 |
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西荻弓絵 | 出版月: 1999年12月 | 平均: 5.50点 | 書評数: 2件 |
光進社 1999年12月 |
角川書店 2000年02月 |
No.2 | 7点 | メルカトル | 2023/09/01 22:22 |
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本篇では解き明かされなかった数々の謎が今、ひとつになり真実が姿を現す。迷宮入り事件のみを扱う警視庁捜査一課弐係。IQ199東大卒の警部補・柴田純、元特殊捜査班の真山徹を中心に風化した難事件を呼び起こしていく。「特別篇」と未発表の「断片化された無数の想い」を加え新たに書き下ろした1冊。深まる謎の数々。秘められた過去は少しづつ彼らの人生を浸食していく。
『BOOK』データベースより。 ドラマ『ケイゾク』のノベライズ作品。二段組みで398ページ、その世界観にどっぷり浸る事が出来ました。何よりも素晴らしいのが、主要キャストの人物造形が十分確立されている事でしょう。柴田純と真山徹の主役二人の他にも魅力的なキャラが多数おり、誰に感情移入するかは読者次第です。出番は少ないですが、泉谷しげる演じる右足の不自由で破天荒な壺坂がいい味出していましたね。まるで彼をモデルにした様なキャラです。 前半はトリッキーな本格ミステリで、主にフーダニットに重点を置いています。全てが解き明かされていない欠点は見られるものの、それぞれ違ったテイストの短編が並びます。その中で、真山に関係した過去の事件の真犯人が見え隠れしており、それが後半に繋がります。 後半はそれまでと雰囲気がガラッと変わって、ユーモアが混じっていた前半に比べて一気にシリアスになり、ストーリーが二転三転します。もう誰が味方で誰が敵なのか分からなくなりそうなほどヒートアップしていきます。ミステリと言うよりサスペンスですね。その臨場感は半端なく本当にドラマを観ている様な感覚に陥りました。 24年前の作品ですか、しかし全く色褪せていませんね。 |
No.1 | 4点 | 江守森江 | 2010/05/20 06:06 |
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TBS系で放送された本格ミステリ風刑事ドラマ「ケイゾク」放送分の11話にオマケと特別編を加えた13章で構成されたノベライズ版。
前半の各話は1話完結で本格ミステリ色が強いが、「金田一少年」「名探偵コナン」「刑事コロンボ」など、あらゆる分野のミステリからプロットやトリックを転用しているので既読感一杯だった(テレビ業界のパクリに対する寛容さは現在の中国レベルだろう!) それでも、コミカルな面白さは先々のミステリ・ドラマに多大な影響を与えたと思え評価したい。 後半の作品全体での謎と事件は、意外な真犯人を用意しているが、作品としての後味はすこぶる悪い。 映画のノベライズもあり、其方がどんな結末なのか非常に気になる。 ※放送当時に見逃し最近気になり再放送を期待して待っているが我慢出来ずにノベライズで済ませたのでドラマとの比較は書けない。 |