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[ クライム/倒叙 ]
新人王
清水一行 出版月: 1982年04月 平均: 6.00点 書評数: 2件

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双葉社
1982年04月

角川書店
1983年12月

勁文社
1994年08月

集英社
1999年01月

No.2 7点 斎藤警部 2025/07/03 00:24
“あれは、わしの◯◯――。”

あー、わしはもうトコロ天や。 話が面白過ぎてな、グイグイて中に押し込まれたらー、ミュルミュルッとバラバラ死体になって出て来るんやで。 結末ゆう器ん中にのう。

競輪界が舞台の話です。 年配の競輪選手が、車で帰宅途中の高速道路で不審な事故死(?)を遂げたんや。 そいたら今度は期待の若手選手の出生の謎みたいな話が出て来てね、あれよあれよと殺人事件が起こるのやねえ。 ところがね、この殺人事件は犯人が分かっとるのや、何しろ、さっきの高速道路不審死までひっくるめて、私がやりました言うとるからねえ、犯人さんが。 つまり、こう見えて倒叙ミステリ言うか犯罪小説言うか、そういう代物なのやねえ、この作品は。 熱いでえ、まあ読んでみい。 レースシーンもがっちり心理戦つかんで快調、臨場感ガッツリ、競輪場行きたなるわなあ。 まあわしは投票券は買わんと、レース見ながら酒飲んでウロウロしとるだけやろけどなあ。

爽やかな恋愛模様、地方へ遠征して過去の因縁捜し、直近事件の素人聞き込み、更に最ッ低の嫌ァ~な事件を経てな、それぞれの想い、思惑を抱いてクライマックスの晴れ舞台『小倉競輪場』へと集結する男達。 こん中に一人、コトサラに読者を泣かせに来る男がおるのやね。 んでも一人、キ◯ガイもいてるわけや。。

終盤に至って、いつん間にか探偵役なっとるオッサンが巡らす推理の、ジリジリ来る熱さねえ。 何気に目を引く「トリック」もいくつか見せつけてくれますよねえ。 ほいでラストシーンの人情噺がまた、たまらんのですよ。

東野圭吾が書いてたら、もっと複雑でトリッキーな仕上がりになってた思いますけどな、複雑でトリッキーでイケズな推理小説やったらエエいうわけちゃいますからな。 ストレートなイッコーちゃんのスポーツ親子鷹ストーリーはホンマ(言うてもそこそこイケズやけど)文句なしにシビレさせてくれますよ。

No.1 5点 江守森江 2009/05/30 22:35
博打小説に興味があり手にした。
プロ競輪の大物ルーキーを巡る(博打小説ではなく)ミステリーだった。
アスリートを巡る話が好きなら楽しめる。


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清水一行
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