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[ 短編集(分類不能) ] 道化の町 |
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ジェイムズ・パウエル | 出版月: 2008年03月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
河出書房新社 2008年03月 |
No.1 | 7点 | 空 | 2020/04/03 22:35 |
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本サイトにも登録されていることは気づいていたのですが、つい最近になって奇妙な味の短編系の作品集だと知って、さっそく読んでみたのでした。
ユーモア感覚が高く評価されている作家のようですが、最初の3編を読んだ段階では、まさに「奇妙な味」はあるものの、笑える感じではないじゃないかと思っていたのです。特に『プードルの暗号』はむしろ不快な結末です。しかし次の『オランウータンの王』の冗談としか思えないラストには、唖然とさせられました。この2作に限らず、全体的にファンタジー的な要素が濃厚ですが、一方『アルトドルフ症候群』は事件の語り手設定こそSF的ですが、凝ったトリックのまともな謎解きミステリになっています。一方メイナード・ブロック巡査部長代理シリーズの2編、特に『折り紙のヘラジカ』はおふざけぶりが徹底しています。表題作はサーカスのユーモアとペーソスが融合された傑作。 |