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[ 本格/新本格 ] 紳士ならざる者の心理学 天才・龍之介がゆく! |
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柄刀一 | 出版月: 2007年11月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
祥伝社 2007年11月 |
No.1 | 7点 | monya | 2013/08/05 10:08 |
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誰がなんと言おうと、柄刀一氏の本質はトリックではなくロジックだと思ってます。
不可能犯罪をよく扱う為にトリックの人だと思われている様に思いますが、よくよく読んでみるとトリックよりそれを囲むロジックが素晴らしいのだと気づかされるわけです。 いや、勿論、トリックも素晴らしいのばかりですけれど。 そういうわけで、今作にもロジック爆発な短編が一つ入っています。 「見られていた密室」です。 これは、柄刀一氏の短編群でもベスト級と言えるのではないでしょうか? まず、「犯人が監視カメラで死ぬ直前の被害者の様子を見ていることによって被害者と犯人の心理戦が繰り広げられる」というシチュエーションが非常に秀逸です。 そして、そうした中で被害者が行った行為を名探偵龍之介が紐解いていくわけですが…… この過程が素晴らしい。 ダイイング・メッセージ一つについてありとあらゆるロジックを駆使することにより、ただ一人の犯人が浮かび上がる……まさしく、本格ミステリの興奮そのものです。 この一編だけでも読む価値があるかと。 他の話も及第点は超えているものばかりで、本格ミステリ07にも採用されていた表題作は伏線とトリックの詰め込みが素晴らしい佳作です。 個人的には三作目も好みです。 ロジックとトリックを味わいたい人にはとことんオススメな一冊でしょう。 |