皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 社会派 ] 熟柿 |
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| 佐藤正午 | 出版月: 2025年03月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
![]() KADOKAWA 2025年03月 |
| No.1 | 7点 | HORNET | 2026/09/07 21:23 |
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| 雨の夜、親戚の葬儀の帰り道に、警察官である夫を乗せた車で かおりは老婆を撥ね、轢き逃げの罪人となった。当時身ごもっていたかおりは服役中に息子・拓を出産するが、その息子は元夫に引き取られて生き別れに。出所後、息子に会いたいがあまり園児連れ去り事件を起こした彼女は、息子との接見を禁じられ、追われるように西へ西へと各地を流れてゆく。いつか息子に会える日は来るのか―心の中で毎日のように息子に呼びかけながら、かおりは孤独な生活を続ける―
もちろん救護を行わずに逃げ、結果人を死なせたかおりの罪は重い。だが、その罪を背負ったまま、過去を隠しながら息子との再会を希望に生きる彼女の人生はあまりに切ない。読み手としては、そんなかおりと縁を切り、新しい妻を迎えて拓と暮らしている元夫が自分本位に感じて腹が立つが、かおりは「自分が悪かったのだ」という意識で、ただ耐えて暮らしている。孤独な人生を送るかおりに胸が苦しくなってくるが…最後に訪れる転機に、いくらか救われた。 ひたむきに描かれる17年という長い歳月に読み手も没入する。読み応えのある一作。 |
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