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[ ハードボイルド ]
夜がまだ明けない
井上先斗 出版月: 2026年07月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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小学館
2026年07月

No.1 6点 kanamori 2026/09/23 11:51
しがない探偵事務所に勤める”僕”こと、若い探偵の苗場清志郎が遭遇する5つの謎で構成されたハードボイルド連作短編集。
舞台が三軒茶屋、下北沢、原宿、吉祥寺と、いかにも若い作家による26歳の私立探偵モノで、令和の時代らしい独特の雰囲気を醸し出しています。同時に、探偵のクールな言動と視点は過去のハードボイルド小説の様式を正当に受け継いでいるようにも思えました。謎解き部分は、日常の謎風のものから、本格ミステリ並みのトリッキーものまで多彩です。ハードボイルドの定番のガシェトである”失踪”が起点になっているものが多いですが、持ち逃げ、消失、雲隠れ、家出と”失踪”にも色々あります。

一話目の「ヴィンテージ」は古着屋のアルバイト店員がいなくなったホワイトダニットもので、業界の内情などは興味深いものの、まあシリーズのイントロダクションのような作品。
「消えた歌声」は、ロック・バンドの女性ヴォーカルが突如”姿を消した”ホワイダニットもので、これはある時点で真相が見えてしまう。次の「レモンジュース」は、苗場の元カノのようなジョブホッパーの女性が依頼人で、ストーカー対策案件が異様な様相を見せる。隠されていた構図の意外性もなかなか。
「溶けるように」は、追跡対象の男が乗り込んだはずのエレベーターから忽然と消失する、不可能興味が充実し多重推理も楽しめる編中で最もパズラー志向の強い作品です。
最後の「夜がまだ明けない」は、女子中学生の家出の案件から、刑事事件に発展するシリアスな内容で結城昌治の真木シリーズを思わせるところもあるが、探偵の行為の裏には苗場自身の過去があった。


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井上先斗
2026年07月
夜がまだ明けない
平均:6.00 / 書評数:1
2024年09月
イッツ・ダ・ボム
平均:8.00 / 書評数:1