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[ 社会派 ]
七人の記者
一本木透 出版月: 2025年09月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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朝日新聞出版
2025年09月

No.1 5点 HORNET 2025/11/15 20:51
 宝城大学2年生美ノ輪七海は、大学新聞「宝城タイムス」を発行する新聞部員。学内のスクープニュースを追いかけ、いずれは新聞記者を志す女子学生だったが、ある日親友の亜里沙が「男性教授に性被害に遭っている」という衝撃の悩みを打ち明け、自ら命を絶った。親友の無念を晴らそうと問題を追及するうち、同大出身の政治家らが絡む私学助成金の不正受給疑惑が明らかに。タウン誌の老記者や新聞部のOBに相談を持ちかける中で、心を動かされた者たちが集い、巨悪の追及に乗り出した。だが、政権と強いつながりを持つ相手は、ヤクザとも手を組んで七海たちをつぶしにかかる―




<ネタバレ>
 分かりやすい勧善懲悪のストーリー。後半、「本当の黒幕は誰か?」「嘘をついているのは誰か?」といったミステリ要素もしっかりとあり、疾走的な展開を楽しむことができる。
 ただ、ストーリーの展開に重きを置きすぎてか、各場面の心情的臨場感が弱いかな…。ついこないだ話を聞いた人があっさり「消され」るのに、そのことに対する記者たちの反応が薄い。それに、それほど手回しがいい相手なのに、裏切者の虎吹や、七海たち有志連合に切迫した危険がなかなか及ばないのも、ちぐはぐした感じがある。
 最後は一発逆転の気持ちよい展開だが、そこに至るまでの筋書きがなんだか淡白に感じてしまったのも正直なところ。


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一本木透
2025年09月
七人の記者
平均:5.00 / 書評数:1
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平均:6.00 / 書評数:3