皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ SF/ファンタジー ] 小説 君の名は。 |
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| 新海誠 | 出版月: 2016年06月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
![]() KADOKAWA 2016年06月 |
![]() KADOKAWA 2016年08月 |
![]() 汐文社 2018年12月 |
| No.1 | 6点 | 斎藤警部 | 2025/11/05 00:30 |
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| 「――あんた今、夢を見とるな?」
映画の空気感をそのまま持ち込んだ文章世界(特に前半)。 ラノベでホイなノリも(特に前半)目立つが、悪かないぜ。 男女の体が入れ替わってしまう物語、と呼ぶのはちょっと違う。 男女の体が夢の中で入れ替わってしまう物語 ・・・ と言って良いのか ・・・ このへんがミソでもあるのだが ・・・ ともかく、単純なとりかへばや構造のストーリーではまるでないのです。 (男女のアレがそのまんまじゃない感じがちょっと、てかもしや、今時らしくセクシュアリティの微妙な所を突いてきやしないかとおじさんはヒヤヒヤでしたよ ・・ ってそれはとんだ妄想でした) 本作、 「SF寄りファンタジーの枠を借りた恋愛小説」 の姿にめかした 「 ’出逢い’ なる現象を考察する書」 ではないかと考えます。 細野さんと大瀧さんの出逢いに思いを馳せたりします。 でもやっぱり小説内に息づくミステリの胎動はどうにも否めない。 ごく短い某章が放つ凄みと、もたらすミステリ的期待。 ストーリーミチナカバにして強烈な重いツイストが訪れる。 ブライト&ファニーなだけでなく、ダーク&ビターな要素も在る。 パニックサスペンス展開も佳き。 二人の ‘年長者’ は良い働きをしてくれた。 変態萌えを促しかねないびっくりエピソードが異彩を放っていましたね。 ちょっとネタバレ気味になりますが、、 ブライトで切ないエンディングを迎えるのかと思いきや、逆にディムながら幸せへの予感に満ちた終わり方をする。 小学生含む若年層向けのラヴファンタジーとしてはそれが良いのでしょうが、大人が勝手に大人のラヴストーリーを期待すると、最後は(お互い希望に溢れつつ)××のままで良かったんじゃないか ・・ なんてなってしまうけど ・・ それだとタイトルワードの使いみちが難しくなってしまう副作用もありましょうか。 「せやけど、意味は消えても、形は決して消しちゃあいかん。 形に刻まれた意味は、いつか必ずまたよみがえる」 小説家でもあるアニメ映画監督が、映画制作と並行して書き上げた小説です。 したがいまして、ノヴェライズとも原作本とも違う、いわば第三の映画ストーリー本なのですね。 素敵です。 |
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