皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ ホラー ] 魔女の怪談は手をつないで 星見星子が語るゴーストシステム |
|||
---|---|---|---|
サイトウケンジ | 出版月: 2023年03月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
![]() KADOKAWA 2023年03月 |
No.1 | 6点 | 人並由真 | 2025/04/21 19:26 |
---|---|---|---|
(ネタバレなし)
大学生「僕」の学友で幼なじみの美少女・星見星子(ほしみ せいこ)ちゃん。彼女は人気の配信アイドルだ。僕はオカルトオタクの星子ちゃんを喜ばせようと、仕込んできた怪異のネタをファミレスで披露しようとしていた。だがそこに、見かけは中学生の愛らしい女子だが、白髪の自称・魔女「あーちゃん」が接近してきた。 アニメ化もされた人気ラノベ『トリニティセブン』シリーズや同じくアニメ化されたPCゲーム『あかね色に染まる坂』の作者サイトウケンジによる、トリッキィなホラーミステリ……というべきか。 帯の「待ち受けるどんでん返しの連続!!!!!!!!!」という惹句に吊られて購入し、一読した。 で、読んで、ああ、こういう作品ね……と理解&了解。 作者がどういう狙いなのかはたぶんよくわかるし、この趣向をここまできっちりやった作品は、確かにほかにパッと思いつかない。そういう意味では評価していい。 ただ(あまり詳しく言えないが)劇中の登場人物によって語られる怪談そのものが、あまり怖くない。もっともその辺が、却って作品のパーツとなる部分のリアリティを担保してるのかもしれないのだが、それでもここはもうちょっと、ハッタリをきかせてもよかったんじゃないか。 まあジャケットのビジュアルとタイトルそのものがもしかしたら意図的なミスリードなのかもしれんし、編集者を含めて送り手たちの仕掛けの練り具合は感じる。 ただその世界の真実を覗き込んでしまうと(中略)。 その辺はこの種の作品の、普遍的に構造的な問題かも。 とりあえず、読んでおいて良かったとは思います。2020年代の前半にこういう作品があったと体感する、ほぼリアルタイムの体験も踏まえて。 |