海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ SF/ファンタジー ]
無垢なる花たちのためのユートピア
川野芽生 出版月: 2022年06月 平均: 7.00点 書評数: 1件

書評を見る | 採点するジャンル投票


東京創元社
2022年06月

東京創元社
2024年09月

No.1 7点 虫暮部 2025/04/25 12:44
 川野芽生は、たおやかな語り口で世界の糸を解きほぐす。
 表題作が他に比べて少々取っ付きにくく感じたのは、前者が少年達の物語であるのに対して、「白昼夢通信」は少女達、「最果ての実り」は男と少女、「卒業の終わり」は女達と男達の物語だからさ――なんて言ったら表層的で通俗的な消費の仕方だろうか。
 否、“性差” との苦闘はこの作者の根っこに位置する烙印だと思う。花は植物の生殖器なのである。気怠く甘い白昼夢も、一歩引いて見るとそれを見ていること自体が怖い。


キーワードから探す
川野芽生
2022年06月
無垢なる花たちのためのユートピア
平均:7.00 / 書評数:1