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[ その他 ] 真剣師 小池重明 |
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団鬼六 | 出版月: 1997年04月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
幻冬舎 1997年04月 |
イースト・プレス 2011年05月 |
No.1 | 6点 | メルカトル | 2025/01/21 22:22 |
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プロよりも強いスゴイ奴がいた!“新宿の殺し屋”と呼ばれた将棋ギャンブラーが、闇の世界で繰り広げた戦いと破滅。日本一の真剣師を決める通天閣の死闘など、壮絶な軌跡を描く傑作評伝。
Amazon内容紹介より。 真剣師とはアマチュア将棋で生計を立てる勝負師の事。真剣師小池重明は作中何度も書かれている様な破滅型です。天衣無縫、荒唐無稽、人生そのものが破綻していて、飲む打つ買うの三拍子そろったアウトロー。しかし、どこか人を惹き付けて止まない魅力を持った男でありました。何度も女と駆け落ちし、仕事を転々としながら、最後は雇い主の車を盗んで金庫の中の金を持ち逃げするという、どうしようもない人間ですが、殊将棋に関しては無類の強さを持っており、アマプロ問わず強敵を次々と撃破していきます。将棋など駒の動かし方位しか知らない私でも、その熱い戦いの数々には胸がスカッとします。 団鬼六など私には無縁の作家だと思っていましたが、何故か積読状態にあった本書に目が行き、初めて手に取った次第です。面白かった、純粋にそう思いました。 真剣勝負と小池の生き様が当分に描かれ、丁度良いバランスで読み手の心を掴んで離しません。軽くもなく重くもなく、適度な緊張感とユーモアの相乗効果で読んでいて飽きが来ません。それにしても小池の強さは伝説級で、夜通し飲み明かした翌日その足で勝負に挑み、難なく勝ってしまい、「この時こう打っていたら勝負は分からなかった」などと飄々と感想戦で語ったりと、人間として愛され同時に嫌われた伝説の真剣師であったのです。 |