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[ 本格/新本格 ]
遊廓島心中譚
霜月流 出版月: 2024年10月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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講談社
2024年10月

No.1 6点 文生 2024/12/01 08:20
第70回江戸川乱歩賞受賞作で、同時受賞の『フェイク・マッスル』を王道的乱歩賞とするとこちらは少々異色作。
幕末を舞台に父の死の真相を突き止めるべく町娘の主人公が遊廓島と呼ばれる横浜・港崎遊廓に乗り込む話なのですが、その際に遊女殺しの異名を持つ英国海軍大尉の現地妻となり、石好きという他人には理解しがたい共通の趣味があることを知って意気投合するという流れが恋愛ものとして面白い。前半はもう一人のヒロインと交互に語られる恋愛話が中心であまりミステリーっぽさは感じられないものの、後半になるとにわかに本格色が強くなり、ぶっとんだ真相に行き当たることになります。正直、全体的なバランスの悪さからミステリーとしてはそれほど高い評価はできませんが、ホワイダニットものとしてはなかなかのインパクトを感じた作品です。


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霜月流
2024年10月
遊廓島心中譚
平均:6.00 / 書評数:1